2011 Fiscal Year Annual Research Report
14番染色体インプリンティング遺伝子の生理学的機能と発現調節機構の解明
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23390083
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
鏡 雅代 独立行政法人国立成育医療研究センター, 研究所・分子内分泌研究部, 上級研究員 (70399484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 健太郎 独立行政法人国立成育医療研究センター, 病理部, 医長 (90286443)
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Keywords | インプリンティング / 胎盤 / 遺伝子調節 / 成長障害 / 肝芽腫 |
Research Abstract |
本件研究は14番染色体インプリンティング遺伝子の生理的機能と発現調節メカニズムを解明することにより、成果を先天奇形症候群、成長障害、胎盤形成異常、肝芽腫の診断・治療に役立てることを目的とする。具体的には、(1)胎盤における14番染色体インプリンティング遺伝子の機能解明と胎盤形成異常症の原因解明、(2)子宮内胎児発育遅延、出生後成長障害患者における14番染色体インプリンティング異常の解析、(3)14番染色体母性発現遺伝子の肝臓における機能の解明、(4)14番染色体インプリンティング遺伝子発現調節機構の解明を目的に研究を進めていく。平成23年度は、(1)については国立成育医療研究センター病理部に保存されている、胎盤低形成、胎盤過形成の胎盤サンプルにおいてDLK1,RTL1の抗体を用いて免疫染色を行った。(2)については次世代シークエンサーを用いて、14番染色体インプリンティング領域内の胎盤、胎児の発育に関係すると予想されるDLK1,RTL1の変異解析を原因不明の成長障害患者のサンプルを用いて行った。(3)については、当センターに肝芽腫サンプル、正常肝組織使用のための研究申請を行い倫理医員会の承認を得た。現在、入手した正常肝組織から抽出したDNA,肝芽腫から抽出したDNAを用いてメチル化解析を開始し平成24年度も継続中である。(4)については、14番染色体インプリンティング領域メチル化可変領域(DMR)のエピ変異症例のサンプルを用いて、germline-DMRであるIG-DMRとsecondary-DMRであるMEG3-DMRを含むそれぞれ5kbの領域において構造異常の有無の検索のために直接シークエンスを開始し平成24年度も継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目にあたる平成23年度は研究に用いる検体の準備、および、検体使用のための倫理委員会への研究申請、実験にあたっての条件検討など準備段階であった。これらについては、予定通り順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)胎盤における14番染色体インプリンティング遺伝子の機能解明と胎盤形成異常症の原因解明については、平成23年度に行った原因不明の低形成もしくは過形成の胎盤における14番染色体インプリンティング遺伝子の免疫染色において、発現の異常を認めた胎盤を用いてDMRのメチル化解析、児本人の血液などの検体を用いたメチル化解析および発現解析を進める。(2)子宮内胎児発育遅延、出生後成長障害患者における14番染色体インプリンティング異常の解析については遺伝子変異例につき、変異体の機能解析を行う。(3)14番染色体母性発現遺伝子の肝臓における機能の解明については、RNAを用いた14番インプリンティング遺伝子の発現定量、発現アレイ解析を行う。(4)14番染色体インプリンティング遺伝子発現調節機構の解明については、14番染色体インプリント領域のシークエンスの継続し、14番染色体の詳細なメチル化状態検討のために、エピ変異例での14番染色体インプリント領域のメ
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Research Products
(10 results)