2012 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍死細胞が惹起する抗腫瘍免疫活性化機構におけるCD169マクロファージの役割
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23390095
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
田中 正人 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (00294059)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | がん / マクロファージ / 細胞死 |
Research Abstract |
我々は、がん細胞の死に伴うがん抗原特異的細胞傷害性T細胞の活性化とそれによるがん縮小現象のメカニズムを解析し、この現象にこれまで考えられていたリンパ節在住の樹状細胞ではなく、リンパ節の辺縁洞に局在するCD169陽性の特殊なマクロファージサブセットが関与していることをつきとめた。このCD169マクロファージは、リンパ節に到達したがん死細胞を選択的に貪食し、死細胞抗原を提示することにより癌抗原特異的細胞傷害性T細胞を活性化する。本研究ではこのマクロファージの機能解析のために、当該マクロファージに特異的に蛍光タンパクを発現する遺伝子改変マウスの作製を行っている。本年度は、CD169遺伝子のプロモーターの制御下にCre recombinaseを発現するCD169-Creノックインマウスの作製が完了しROSA26-YFPマウスと交配した。本年度末の時点で、このCD169-CrexROSA26YFPマウスにおいてマクロファージ特異的に蛍光が確認されており、引き続き解析を行っているところである。また、CD169-DTRマウスにジフテリア毒素を複数回投与し、当該マクロファージの非存在下での腫瘍増殖の経過を観察したところ、腫瘍増殖に速度に変化が見られることが分かり、詳細な解析を進めている。さらに、CD169マクロファージに特異的に発現する表面分子の探索により、本マクロファージを活性化し得る候補分子を同定し、分子機能並びに活性化機構の解析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度は、本研究の解析に有用なCD169マクロファージを蛍光標識した遺伝子改変マウスを作製したが、これまでの解析でその有用性が確認されつつある。また当該マクロファージの活性化を誘導する具体的方法についても検討がすすんでおり、がん免疫活性化法の開発にむけて着実に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
CD169マクロファージを選択的に蛍光標識できるCD169-Cre x ROSA26-YFP遺伝子改変マウスの蛍光標識を確認し、従来の方法との組み合わせ等により当該マクロファージ分離採取法の最適化を図る。これにより得られた当該細胞を用いてサブセット解析や死細胞貪食能とその分子機構を解析する。さらに本マクロファージの活性化による腫瘍免疫誘導法の検討を行っていく。
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Research Products
(8 results)