2012 Fiscal Year Annual Research Report
前がん状態においてDNAメチル化異常を惹起する分子機構の解明
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23390096
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
金井 弥栄 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (00260315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 恵吏 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (40446547)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | DNAメチル化 / DNAメチルトランスフェラーゼ / 前がん状態 / 腎がん / 慢性肝炎 / 肝がん / 慢性閉塞性肺疾患 / 肺がん |
Research Abstract |
本研究では、多数の組織検体の分子病理学的解析をもとに、多段階発がん早期の前がん状態において、DNAメチル化等のエピゲノム異常を惹起する分子機構を明らかにすることを目的とする。研究代表者は、臨床病理像と対応させたゲノム網羅的DNAメチル化解析 (メチローム解析)で、高悪性度のがんに至るまで継承されるcancer-proneのDNAメチル化プロファイルが、前がん段階において既に確立していることを示してきた。本研究期間では、cancer-proneのDNAメチル化プロファイルを示す前がん段階にある組織検体で、発現等の異常を来たし、エピゲノム異常を誘導する可能性のある候補核内蛋白等を同定する。候補核内蛋白が寄与する分子経路を構成する分子群の発現等をさらに多数の組織標本で評価し、臨床病理学的因子との相関を詳細に検討して、多段階発がん過程への寄与を証明することを目指す。 平成24年度までに腎組織検体で実施したメチローム解析で、前がん段階においてcancer-prone のDNAメチル化プロファイルが既に確立し、臨床病理学的に悪性度の高いがんを生じ、予後不良であるような腎細胞がんのCpGアイランドメチル化形質 (CIMP)陽性群を同定した。腎細胞がん固有のCIMPマーカー遺伝子も同定し、CIMP診断基準を開発した。エクソーム・トランスクリプトーム解析では、このようなCIMP陽性腎細胞がん症例において高頻度に異常を来す分子を複数同定し得た。MetaCore分子経路解析では、CIMP陽性腎細胞がんで高頻度に破綻を来す分子経路を複数同定している。CIMP陽性腎細胞がんで異常を来す分子群には、ヒストンメチルトランスフェラーゼ・ヒストンアセチルトランスフェラーゼ等のエピゲノム制御蛋白が含まれることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに、CIMP陽性腎細胞がんで異常を来すヒストンメチルトランスフェラーゼ・ヒストンアセチルトランスフェラーゼ等のエピゲノム制御蛋白候補を同定し得たので、当初計画の通りに研究を進め得ると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度までに腎細胞がんで同定したエピゲノム異常の惹起に寄与しうる候補核蛋白の発現等の異常が、検証コホートのCIMP陽性腎細胞がん症例等で再現するか評価する。慢性肝炎等肝細胞がんに対する前がん段階や、慢性閉塞性肺疾患を伴う肺がんに対する前がん段階にある組織検体においても、候補核蛋白の同様の異常が認められるか検証する。また、多数の腎細胞がん細胞株等のメチローム解析により、CIMP陽性がん類似のDNAメチル化プロファイルを示し、CIMPのモデルとなるがん細胞株を同定する。CIMPのモデルとなるがん細胞株において、クロマチン免疫沈降-シークエンシングを実施し、CIMPマーカー遺伝子等におこっているヒストン修飾異常を明らかにする。平成24年度までに着目したヒストンメチルトランスフェラーゼ・ヒストンアセチルトランスフェラーゼ等が、CIMPマーカー遺伝子等のヒストン修飾異常の責任蛋白となり得るか検証する。以上により、cancer-prone のDNAメチル化プロファイルに先行するヒストン修飾異常を生じさせる分子機構の理解を進める。
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Research Products
(21 results)