2014 Fiscal Year Annual Research Report
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23390097
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Research Institution | Research Institute, Shiga Medical Center |
Principal Investigator |
木下 和生 滋賀県立成人病センター(研究所), 遺伝子研究部門, 専門研究員 (50293874)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / ゲノム / 突然変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
AID発現履歴を有する細胞を可視化するトランスジェニックマウス (Aicda-cre x tdRFP) に皮膚癌を誘発する薬剤であるTPAを塗布し、AIDの発現履歴が現れるか観察した。しかし、皮膚細胞が持つ自家蛍光と皮膚特有の免疫染色を困難にする状況がtdRFPタンパクの検出を困難にさせることが判明した。そこで、beta-galactosidase の発現を指標にAID発現履歴を可視化するトランスジェニックマウス (Aicda-cre x LacZ) を作成した。このマウスの皮膚に6週間にわたって週2回の頻度でTPAを投与したところ、一部の毛包細胞とそれから上方に連続する角化表皮細胞および角化層にAIDの発現履歴が誘導されることが明らかとなった。TPAのみでAIDの発現が角化表皮細胞で誘導されることを示しており、これまでの培養細胞を用いた実験と、TPAのみでも低頻度ながら AID依存的に皮膚腫瘍が誘導される結果と矛盾しない結果であった。AIDの発現はすべての毛包にみられるわけでなく、極めて限局的であった。AIDの発現履歴を有する細胞の詳細を解析することは極めて困難であり、今後の課題として残された。 これまでの一連の実験により、肺癌と皮膚癌のマウスモデルにおいてAIDが発がんに関与する可能性を示すことができた。肺癌モデルにおいてはAIDの発現により細胞死が起こり、その結果生じる組織再生の過程でAIDが変異原として機能する可能性が示唆された。皮膚癌モデルでは内在性のAIDが発がん化学物質や紫外線暴露により誘導され、AIDの発現量に相関して皮膚腫瘍が形成されることを示した。これらの結果はヒトの発がん過程にもAIDが関与する可能性を指示する結果である。 皮膚がんモデルの研究は米国の学術誌に投稿し、現在改訂作業中である。以前に完了した肺癌の前癌病変モデルについての解析結果はPLoS ONE誌に掲載された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Chronic lung injury by constitutive expression of activation-induced cytidine deaminase leads to focal mucous cell metaplasia and cancer2015
Author(s)
Kitamura, J., Uemura, M., Kurozumi, M., Sonobe, M., Manabe, T., Hiai, H., Date, H., and Kinoshita, K.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 10
Pages: e0117986
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] TGF-beta Suppression of HBV RNA through AID-Dependent Recruitment of an RNA Exosome Complex2015
Author(s)
Liang, G., Liu, G., Kitamura, K., Wang, Z., Chowdhury, S., Monjurul, A. M., Wakae, K., Koura, M., Shimadu, M., Kinoshita, K., and Muramatsu, M.
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Journal Title
PLoS Pathog.
Volume: 11
Pages: e1004780
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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