2012 Fiscal Year Annual Research Report
ポリオウイルスの血液脳関門透過機構と運動神経細胞への特異的感染機構の解析
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23390113
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
野本 明男 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 所長 (70112670)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ポリオウイルス / 病原性 / 血液脳関門 / 特異的体内伝播 / 宿主因子 |
Research Abstract |
PVと結合する血管内皮細胞の表面分子は、トランスフェリン受容体であることを証明していたが、精製PV抗体を使用した実験から、PVとトランスフェリン受容体との結合は、予想よりかなり弱いことが判明した。そこで、現在、他のPV結合分子が存在するかを探索している。現在のところ、質量分析を繰り返しながら感度を上げる努力をしている。 新たな結合分子の存在が明らかになれば、研究の進展は大きく遅れ、新たな結合分子とPVの結合部位の同定など、これまでトランスフェリン受容体とPVの結合に関し行ってきたことを繰り返すことになる。 マウス血管内皮細胞にトランスフェリン受容体を過剰発現させると、PVと結合することが明らかになっており、またトランスフェリンの存在で、PVのBBB透過は阻害されるので、トランスフェリン受容体がPV結合蛋白として重要であることは変わっていない。 実験方法を変えたために、多くの時間を使ってしまったが、昨年度の研究予定を含め、今年度は研究を加速させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度の当初研究目的の達成度は、10%程度である。PVと結合する血管内皮細胞の表面蛋白質の免疫沈降実験に使用していたPV抗体(兎hyperimmune抗体)を精製したところこれまで観察されていたトランスフェリン受容体が検出出来なかった。血管内皮細胞にトランスフェリン受容体を過剰発現させると、精製抗体を使用してもPVとの結合を観察出来るので、PVと血管内皮細胞の表面分子との親和性が思ったよりも低いことが予想された。そこで、今年度の研究は、PV結合性蛋白質の検出感度を上げることに多くの時間を費やしてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の推進方策に変化はない。ただ、上記の問題が生じたため、研究の進行が大きく阻害された。今後はその遅れを出来るだけ取り返したい。
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[Journal Article] HSC90 is required for nascent hepatitis C virus core protein stability in yeast cells2012
Author(s)
Naoko Kubota, Yasutaka Inayoshi, Naoko Satoh, Takashi Fukuda, Kenta Iwai, Hiroshi Tomoda, Michinori Kohara, Kazuhiro Kataoka, Akira Shimamoto, Yasuhiro Furuichi, Akio Nomoto, Akira Naganuma & Shusuke Kuge
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Journal Title
FEBS Lett
Volume: 586
Pages: 2318-2325
DOI
Peer Reviewed
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