2011 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞サブセットの機能的特性を制御する分子基盤の解明
Project/Area Number |
23390124
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
改正 恒康 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 寄附研究部門教授 (60224325)
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Keywords | 樹状細胞 / I型インターフェロン / シグナル伝達 / 転写因子 / インターフェロン制御因子(IRF) |
Research Abstract |
樹状細胞は、抗原提示細胞として、種々のサイトカインを産生することにより、自然免疫と獲得免疫を連関し、免疫応答に必須の役割を果たす。樹状細胞は機能的特性が異なる種々のサブセットから構成されている。形質細胞様樹状細胞(pDC)は、核酸を感知する病原体センサーTLR7/TLR9を発現し、その刺激によりI型インターフェロン(IFN)を産生するという特性を持つ。この特性には、セリンスレオニンキナーゼIKKαにより制御される転写因子IRF-7が必須である。1IRF-7はpDC優位に発現しているが、IRF-7だけではpDCの特性を説明できない。本研究では、pDC優位に発現する遺伝子群の中から、Etsファミリーに属する転写因子Spi-Bに焦点を当て、解析を行った。Spi-Bは、IRF-7と相乗的に、I型IFN遺伝子のプロモーターを活性化した。この相乗性は、他のIRFファミリーメンバーとの間には認められなかった。また、Spi-Bは、IRFファミリーの中では、特にIRF-7と強い会合を示した。Spi-B欠損マウスを樹立し、解析したところ、SpiiB欠損pDCにおいて、TLR7,TLR9刺激によるI型IFN産生能が著明に障害されていた。また、TLR7アゴニスト、TLR9アゴニストを投与した後の血中サイトカインレベルを測定したところ、Spi-B欠損マウスにおいて、特にIFN-αの産生誘導が顕著に障害されていた。一方、IL-12p40の産生誘導の障害は軽微であった。IFN-αの産生誘導はpDC依存性であるが、IL-12p40の産生誘導はpDC以外の樹状細胞にも依存している。従って、Spi-B欠損マウスにみとめられた表現型は、pDCのみの障害であることを示している。このように、pDCの特性にSpi-Bが重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり、Spi-B欠損マウスの解析を進められている。Spi-B関連分子の機能解析、遺伝子欠損マウスの作成も並行して進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に当初の研究計画を進めていく。Spi-B欠損マウスにおいて、pDCの成熟分化障害も認められたので、その点の詳細な解析も進める。また、pDC以外の細胞に異常がないかどうかについても解析を行う。また、クロスプライミング能の高い樹状細胞サブセット優位に発現する遺伝子群についても、解析、遺伝子欠損マウスの作成を進めていく。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Treml4, an Ig Superfamily Member, Mediates Presentation of Several Antigens to T Cells In Vivo, Including Protective Immunity to HER2 Protein2012
Author(s)
H. Hemmi, N. Zaidi, B. Wang, I. Matos, C. Fiorese, A. Lubkin, L. Zbytnuik, K. Suda, K. Zhang, M. Noda, T. Kaisho, R. M. Steinman, J. Idoyaga
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Journal Title
J. Immunol
Volume: 188
Pages: 1147-1155
DOI
Peer Reviewed
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