2011 Fiscal Year Annual Research Report
病院の医療安全管理手法の開発と安全管理支援情報システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
23390125
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関田 康慶 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20107113)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石垣 政裕 東北大学, 大学院・経済学研究科, 講師 (60176170)
北野 達也 星城大学, 経営学部, 教授 (70440815)
|
Keywords | 医療安全管理 / モニタリング / 情報システム / データベース |
Research Abstract |
第1に累積関数と分布関数による病院の医療安全管理のモニタリング方法や医療安全管理対策・介入効果測定指標の理論面での体系化をおこない、インシデント・アクシデントのレベル別件数や構成割合を用いて病院の安全管理水準をモニタリングする計量的方法を開発した。具体的な開発プロセスは、以下のとおりである。(1)レベル別インシデント・アクシデント件数がピラミッド的三角形の構造になることを明らかにした。(2)ピラミッド型三角形の件数を表現するために、累積関数を用いて表現した。(3)レベル別インシデント・アクシデント構成割合を表現するために、分布関数を用いた。(4)これら関数を用いて、レベル別インシデント・アクシデントをモニタリングできる方法を開発した。(5)レベル別インシデント・アクシデント件数の月別変動や診療科間を比較する方法を示した。(6)累積関数のゆらぎ係数を定義し、累積関数の変動指標とした。(7)インシデント・アクシデントの介入策効果を測定するための、介入効果係数を定義し、その活用方法を示した。(8)医療マネジメント学会の講習会や安全管理セミナーで活用方法に関する講演と意見交換を行った。それらの意見を参考に、手法の活用のあり方を改善した。(9)分析所見の記述について検討し、体系的な記述化を試みた。 第2に、地域の病院協会の協力を得て、開発した方法の運用試験を行い、活用方法や参加病院に寄与する所見報告のあり方を検証した。この運用検証試験では、宮城県病院協会、東京都病院協会、静岡県病院協会、福岡県病院協会の協力を得て参加病院を募集した。本年度は15病院数を対象に運用試験を行った。 第3に、病院の医療安全管理のモニタリングを支援するプロトタイプの支援情報システムの基本設計及び情報システム開発をおこなった。支援情報システムは、月別、診療科別、部門別等のインシデント・アクシデントレベル状態モニタリング状況をグラフで示す情報システムである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次の3つの目標課題を概ね達成している理由による。第1の目的は、累積関数と分布関数による病院の医療安全管理のモニタリング方法や医療安全管理対策・介入効果測定指標の開発等の理論面での体系化をおこなう。 第2に開発方法の運用検証試験を、少数病院で実施する。第3にモニタリング支援情報システムの基本設計及び情報システム開発をおこなう。
|
Strategy for Future Research Activity |
第1に、安全管理モニタリングや介入効果測定等に関する理論・体系化をさらに推進する。第2に、モニタリング関係の研究成果について、より多くの病院で運用検証試験をおこなう。この際、各地域の病院協会の協力を得て実施する。運用検証試験は前年度同様、2段階で実施し、30病院での運用試験を想定している。第3に、標準的インシデント・アクシデント報告書とデータベース管理情報システムを開発する。
|
Research Products
(1 results)