2012 Fiscal Year Annual Research Report
臨床疫学的手法を用いた慢性腎臓病の診療内容の定量的評価
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23390130
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福原 俊一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30238505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴垣 有吾 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (70361491)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 医療・福祉 / 医療の質 / 慢性腎臓病 |
Research Abstract |
1. 慢性腎臓病(CKD)診療の質指標の作成 RAND法の手順に従い平成23年度に作成されたCKD診療の質指標の適切性を評価し、専門家パネル委員会の意見をもとに改良し、モデルプロジェクトで使用する質指標として確定した。 従来の質指標では、質指標の項目に、医療のプロセスを評価する指標とアウトカムを評価する指標が混在していた。本研究では、両者を明確に区別し、改善可能な医療のプロセスに関する質指標を優先的に採択した。これによって、質指標の結果を医療者へフィードバックすることにより診療パターンが変わり、患者アウトカムの向上につながることが期待される。 また、本研究で作成した診療の質指標は、非腎臓専門医にも広く行われている診療行為を対象とした。CKD患者は潜在的な患者が多数存在することが指摘されており、腎臓内科以外の診療科にも多数通院している。慢性腎不全が進行して透析治療が必要になる患者を減少させることは社会にとっても重要であり、潜在的なCKD患者の診療の質のばらつきを明らかにして、診療の質向上につなげることは意義が大きい。また、本研究で作成した質指標は、同時に開発したスコアリング・プログラムによって半自動的に測定できるため、迅速なフィードバックや他施設への展開も可能である。 1. 中央データセンターの構築 モデル研究実施施設のデータを集約して、データマネージメントを行う中央データセンターの構築を開始し、運用面、システム使用面の検討を行った。質の高いデータベースを構築することは、多施設で実施するモデルプロジェクトを成功させるために重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パネル委員会のメンバーから、質指標項目の追加、内容変更など意見があり、質指標の改変・確定に時間を要したため、進捗がやや遅れた。しかし、当該年度中に質指標項目の改変を行い、来年度行うモデルプロジェクト実施への準備ができた。 モデルプロジェクトを行う施設間での調整や、データソースの確認・標準化などは引き続き行っていく必要がある。 以上より現在までの達成度は、(3)やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、作成した質指標を用いてモデルプロジェクトを実施する。モデル研究への参加を推進するために、参加施設への質指標測定結果のフィードバック、匿名化された分析用データの参加施設への提供を行う予定である。 参加施設と中央データセンターとのVPN接続は、各参加施設との契約に時間を要し、回線維持のためのコストが大きくなるため、中止する。代替案として、各参加施設で匿名化したデータを郵送で中央データセンターに提出することとした。
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