2011 Fiscal Year Annual Research Report
介入効果の実証を通じた成人教育理論に基づく遠隔教育法の確立
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23390135
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
吉岡 俊正 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60146438)
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Keywords | 教育効果 / 遠隔教育 / 行動変容 / 保健指導 / テレビ電話 |
Research Abstract |
遠隔教育による介入が学習者の行動変容につながることを明らかにする目的で、岩手県遠野市で行われた東京からのテレビ電話による健康指導を通じて、被験者が行動変容を起こし健康指標が改善することを検討した。 平成23年度は、遠野市の管理する個人情報の解析を行うために、研究者に個人情報を除いた形でデータの提供を受けるためのデータ加工法の検討、ならびに個人情報保護を含む研究の詳細について遠野市との覚書を手交した。平成22年度までに集積された約100名の介入・行動・健康情報について介入開始時を基点としたデータへ変換した。解析の結果、行動指標のひとつである一日歩数が介入開始後5週で増加し、介入開始後10週で平均血圧が下降することが明らかになった。HgAIC、AST,ALT,アルブミン等の血液の健康指標は有意の変動を認めなかった。現地視察により冬季は外出して歩くなどの行動に適さない環境にあることが明らかになり、今後季節変動その他食餌変動なども交絡因子として検討の必要があることが明らかになった。また行動変容につながる教育介入の語彙・教示内容の解析を行うため、指導者と被験者の会話から自動音声認識システムを用いた会話のテキスト化についての検討を行った。その結果、録音の質的問題ならびに自動音声認識ソフトウエアの機能限界により本システムは目的を達成しないことが明らかになった。そのため、次年度以降は録音情報を手動入力によってテキスト化することで問題解決を図ることになった。また、テレビ電話による指導者の非言語的コミュニケーションを検討するためCCDカメラによる録画およびデジタルカメラでの静止画の画質検討を行い、非言語的コミュニケーション分析の目的に沿ったカメラの使用法を検討した。 東日本大震災により平成24年度の遠野市のプロジェクトは休止となったが、本研究は平成23年までに集積された情報により研究の全体目標は達成される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象の岩手県遠野市は平成23年3月11日の東日本大震災の被災地となったため、当初の計画のように研究の準備を始めることができず、遠野市とのデータ加工および研究についての合意書を確定するが遅れ、データ解析開始が平成23年12月となった。しかしその間に解析の準備を整え、データ受領後の解析速度を速めることができたので初期の解析は予定通り完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度研究で、遠隔教育による介入が受講者行動変容を起こすことが明らかになったので、平成24年度以降は計画に従って得られたデータを多因子分析などにより、行動変容を起こす直接の要因を明らかにし、教育への応用法を検討する。言語的コミュニケーションについては、当初計画した自動音声認識システムは不適切であることが明らかになったので、録音をテキスト化して実施する。非言語的コミュニケーションは動画と静止画の両方を用いて解析する。これらの解析結果により、遠隔教育だけでなく、対面教育においても学習者の行動変容をもたらす要因が明らかになることが期待される。
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