2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳NO-NCXシグナルの生理病態的意義に関する創薬基盤研究
Project/Area Number |
23390139
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 敏夫 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00107103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吾郷 由希夫 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (50403027)
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Keywords | Na+/Ca2+交換系(NCX) / Nitric oxide (NO) / SEA0400 / ドパミン |
Research Abstract |
脳NCXとNOの相互作用の分子機構を明らかにする目的で、23年度は主に以下の項目について検討を行った。 1)脳NCX安定発現細胞株の作製 V5/His-NCX1.5安定発現細胞株の樹立を目的とし、抗生物質G-418を用いて一過的発現細胞をセレクションし、限界希釈法およびコロニーピックアップ法の2方法で細胞クローニングを行った。限界希釈法で得られた4クローンと未クローンの一過的発現細胞を用いて行ったダイレクトPCRによって生成したPCR産物の解析を行った。4つのクローン細胞、また限界希釈法で得られた残りの9クローン及びコロニーピックアップ法で得られた全35クローンについて解析したが、V5/His-NCX1.5遺伝子の存在を検出することが出来ず安定発現株の作製に成功していない。引き続き検討する予定である。一方、一過的発現細胞ではV5/His-NCX1.5遺伝子由来のPCR産物を確認し、NO誘発細胞障害におけるNCX1.5の関与を検証することが出来た。 2)脳微小透析法によるNO-NCXシグナルの脳アミン伝達に対する作用解析 マウス脳微小透析法により、NOドナーであるNOC-12、SNAPが前頭葉ドパミン遊離を増加させることを確認し、さらにNCX選択的阻害薬SEA0400がNO誘発ドパミン遊離を抑制することを見出した。また、NO誘発ドパミン遊離のCa^<2+>依存性についても検討した。これらの結果はNO誘発ドパミン遊離におけるNCXの関与を示唆する。なお、NOはセロトニンやノルアドレナリン遊離に対しては影響を与えず、NOの神経伝達物質遊離に対する作用はドパミンに選択的であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
安定発現株の作製には至っていないが、一過性発現細胞に成功しており、また引き続き安定発現株の作製を目指している。マイクロダイアリシスの検討では、一定の成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
安定発現細胞を用い、NOの作用における、cGMP/PKGシグナルの役割について追究する。また、一過性発現細胞で得られた結果をさらに検証する。
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Research Products
(8 results)