2013 Fiscal Year Annual Research Report
環境化学物質によるエピジェネティクス変化と次世代影響の解明
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23390157
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安住 薫 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 客員研究員 (90221720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 玲子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任教授 (80112449)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 環境化学物質 / 環境疫学 / 前向きコホート / エピジェネティクス / DNAメチル化 |
Research Abstract |
DNAメチル化はエピジェネティック制御機構のひとつで、胎児期の環境と出生後の表現型を結ぶ重要な要素だと考えられている。動物実験により内分泌撹乱物質曝露のメチル化への影響が示唆されているが、現在のところ疫学研究での報告、特に胎児期曝露の影響を評価した報告は少ない。そこで本研究では、胎児期の環境化学物質曝露が臍帯血のIGF2/H19領域、LINE1のDNAメチル化に及ぼす影響について検討した。 札幌の一産科病院で2002年から2005年にリクルートし同意を得た妊婦514名のうち、初期調査票・カルテ情報・臍帯血の得られた267名を対象とし、パイロシークエンス法を用いてIGF2/H19、LINE1領域の臍帯血DNAメチル化について定量を行った。胎児期の曝露要因として母体血中PFOS・PFOA濃度はLC-MS/MS、MEHP濃度はGC-MS、ダイオキシン・PCBs濃度はHRGC/HRMS、母毛髪中の総水銀濃度は酸化燃焼金アマルガム法(AAS法)にて測定を行い、メチル化との関連について重回帰分析で検討を行った。 交絡因子で調整後、これら環境化学物質の胎児期曝露の臍帯血DNAメチル化への影響については、PFOA曝露によるIGF2メチル化の有意な低下 (β = -1.60 , 95% CI: -2.98, -0.22)、水銀曝露によるLINE1メチル化の有意な増加 (β = 0.71, 95% CI: 0.07, 1.36)が認められ、PFOS・PFOAの胎児期曝露によるIGF2領域への影響、水銀曝露によるゲノム全体のメチル化の亢進が示唆された。また、曝露影響の性差があり、PFOSのIGF2への影響は女児でより顕著なメチル化の低下が観察された(β = -2.15, 95% CI: -4.60, 0.21)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Ten years of progress in the Hokkaido birth cohort study on environment and children's health: cohort profile--updated 2013.2013
Author(s)
Kishi R, Kobayashi S, Ikeno T, Araki A, Miyashita C, Itoh S, Sasaki S, Okada E, Kobayashi S, Kashino I, Itoh K, Nakajima S; Members of the Hokkaido Study on Environment and Children's Health.
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Journal Title
Environ Health Prev Med.
Volume: 18(6)
Pages: 429-50
DOI
Peer Reviewed