2011 Fiscal Year Annual Research Report
思春期の心身の健康における胎児期から幼児期の環境要因と遺伝要因に関する研究
Project/Area Number |
23390173
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
山縣 然太朗 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10210337)
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Keywords | 出生コホート / 肥満 / マルチレベル解析 / メンタルヘルス / ゲノム |
Research Abstract |
胎児期から幼児期の環境要因と遺伝要因が思春期の心身の健康に及ぼす影響を明らかにするために、1987年から継続している地域での出生コホート研究の対象者の内、中学生に達した約2500名を対象として、胎児期(妊婦)から幼児期に収集した生活習慣や社会経済学的変数と思春期調査として収集する生活習慣と心身の健康状態をリンケージしたデータをマルチレベルモデルで解析することを目的とした。本年度は下記のことを実施し、成果を得た。 1.胎児期から中学生までのデータリンケージを行った。その結果、約1600名のデータについて胎児期(母親のデータ)、乳児健診、1歳6カ月児健診、3歳児健診、5歳児健診のデータリンケージが可能であった。 2.胎児期の妊婦の喫煙と思春期の低体重についてはこれまでの研究のように妊娠期の喫煙が思春期の肥満となっていた。また、男女差があることが明らかとなった。飲酒と思春期のうつとの関係をパールソン自己記入式抑うつ評価尺度(DSRS-C)を用いて解析し、妊娠中の少量の飲酒でも思春期にうつ傾向が表れる可能性を示唆した結果が出た。しかし、母親のうつの情報がないことは曝露およびアウトカム両方に影響を与えることが予想され、大きな限界となっており、結論を出すに至っていない。 2.小学校4年生から6年生および中学生に対して思春期調査を例年に準じて実施した。現在解析中である。 3.成人期のコホートの立ち上げの方法を検討した。対象者の卒業した中学校の同期会を通じて、研究への協力を要請を試みたが、十分な成果を上げるに至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでのデータのリンケージおよび解析は終了したが、成人期のコホート立ち上げの準備が若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初検討した対象者の中学校の同期会等への協力要請は必ずしも簡単でなく、地域で活躍するリーダー的存在のキーパーソンとなる協力者との協議を進める予定である。
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