2014 Fiscal Year Annual Research Report
思春期の心身の健康における胎児期から幼児期の環境要因と遺伝要因に関する研究
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23390173
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
山縣 然太朗 山梨大学, 総合研究部, 教授 (10210337)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 思春期 / 肥満 / マルチレベル解析 / メンタルヘルス / 出生コホート |
Outline of Annual Research Achievements |
思春期調査の実施および乳幼児健診からのデータの突合を行った。突合できたデータは1560であり、78%の突合率であった。これまでのデータの蓄積で、乳幼児健診から中学3年生までのデータセットは2520人となった。思春期調査は生活習慣に加えて、うつのスケールやICT依存のスケールを内容として加えた。また、身体測定、う蝕の診察に加えて、不正咬合を歯科医師により調査した。 このデータセットにより、妊婦の喫煙と子どもの成長の軌跡の関連を描き、喫煙していた妊婦から生まれた子どもが、非喫煙の妊婦から生まれた子どもに比べて、低出生体重の後、肥満傾向になることを明らかにした(PLoS One. 2015Feb 13;10(2):e0118538. doi: 10.1371)。また、妊婦の喫煙と子どもの成長に関わる要因について構造分析を行い、直接的要因、間接的要因を明らかにした(J Epidemiol. 2015;25(1):44-9)。さらに、中学生の不正咬合が頭痛の原因になっていることを明らかにした(Community Dent Oral Epidemiol. 2014 Dec;42(6):572-80)。 メンタルヘルスに関しては、中学生に関して、うつのスケールを用いて、ICT使用との関連、やせ願望との関連を分析した。その結果、やせ願望がうつの要因になっていること、ICTの使用による就寝時刻が遅くなることやうつの要因、起立性調節障害の原因となることを明らかにした。 さらに、アウトリーチ活動として、対象地域で結果の報告を行ったり、広報に結果を連載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年、2014年、2015年に5編の論文が国際雑誌に受理された。 また、アウトリーチ活動として、結果の一部を市民フォーラムおよび広報により報告できた。
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Strategy for Future Research Activity |
思春期調査の継続と出生コホート研究としてのデータのリンケージおよびゲノム試料の収集を行う。これまでの結果を踏まえた思春期の身体発育およびメンタルヘルスを決定する要因を解析する。
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