2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経性食欲不振症を対象とした一塩基多型マーカーによるゲノムワイド相関遺伝子解析
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23390191
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小牧 元 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (70225564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
安藤 哲也 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, その他 (50311428)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 神経性食欲不振症 / 次世代シークエンサー / エクソーム解析 / 候補遺伝子 |
Research Abstract |
最近、次世代シークエンサー(NGS)によるエクソーム解析を使った疾患遺伝子探索研究において「有害」であると推定された変異の90%近くが、極めて稀な頻度で、過去5千年以内に発生したと推定された (Science. 2012 337(6090):64-9, Nature. 2013 493(7431):216-20)。従って疾患の多くの原因変異はこのような変異の中にあると考えられる。しかしながら、これらの変異は集団中で高頻度の遺伝マーカーを利用したGWAS (genome-wide association study) では捕らえることが困難であり、NGSの活用によってのみ獲得できると期待される。そこで本研究では制限型神経性食欲不振症の家族症例を対象としてエクソーム解析を実施した。非罹患の両親、罹患姉妹、ならびに非罹患の兄の合計5名1家族のゲノムDNAに対し、罹患姉妹で共有し、非罹患者の兄に観察されない、極めて稀で、さらにその遺伝子がコードするタンパクに変化をもたらせることが期待できる変異(機能性変異)の同定を目指した。この5個体についてエクソーム解析を行ったところ、合計30,456個の変異が観察された。この内、全く新たに同定された(極めて稀な)機能性変異は1,249個、さらにいずれかの両親から伝達され、罹患姉妹間で共有し、兄で観察されない変異が合計26個同定された。これらの遺伝子の中には神経伝達物質のレセプターや抑うつ障害の候補遺伝子も含まれている。一方、罹患姉妹にde novo 変異も3個見出したが、この疾患と関与すると考えられる遺伝子上には存在していなかった。今後はこれらの制限型神経性食欲不振症の強力な候補遺伝子について、通常のサンガーシークエンシングでその変異を確認し、さらにその他の罹患家族、ならびに孤発症例を対象に変異の頻度などを調査し原因遺伝子の同定を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度中に次世代シークエンサーにより、制限型神経性食欲不振症発症の1家族をシークエンシングを終え、ここから得られた大規模データを、機能的、ならびに遺伝学的特徴に基づいたフィルタリングにより、有力な疾患原因候補遺伝子を見出すことに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は今回見出した制限型神経性食欲不振症の強力な候補遺伝子について、通常のサンガーシークエンシングでその変異を確認し、さらにその遺伝子の全エクソンを対象に、その他の罹患家族、ならびに孤発症例を対象に変異の頻度などを調査することで原因遺伝子の同定を目指す予定である。
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Research Products
(43 results)