2011 Fiscal Year Annual Research Report
アレキシサイミアにおける、自己意識・メタ認知に関する統合的脳機能画像研究
Project/Area Number |
23390192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
General internal medicine (including Psychosomatic medicine)
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
守口 善也 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・精神生理研究部, 室長 (40392477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小牧 元 国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・心身医学研究部, 部長 (70225564)
熊野 宏昭 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90280875)
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Keywords | 心療内科学 / 心身症 / アレキシサイミア / 脳神経科学 |
Research Abstract |
アレキシサイミア(失感情症)とは,心身症において,自己の情動の同定や表現の困難を主徴とする,情動処理の障害に関わる重要な病態生理である。今回の研究では,その中心テーマである,自己の身体-情動状態の変化とその認知を,機能的磁気共鳴画像を用いて,その脳内の神経経路・ネットワークを構成するそれぞれの脳部位の局所の脳活動,及び脳内の複数の部位間の機能連絡について明らかにすることを目標としている。本年度はまず,都内の大学生ボランティアのサンプルプールを作成した(n=500)。さらに,本センターに新たに導入された高磁場3テスラMRIの稼働のセットアップを行った。本年度の目標としては,(1)self-agency:自己の行動が主体的である感覚(2)self-coherence(自己統一感):境界を有する身体の一体感のfMRIの課題開発の2点である。まず(1)のSelf-agencyに関して,トラックボールを用いてPC上のピンボールを追跡する手指の運動学習において,遅延フィードバックを加えながらSelf-agencyの維持のための認知負荷をかけることのできる課題をプログラミングによって開発した。この課題では,自己の行動(ここでは手の運動)が「確かに私の起こした行動である」という,Self-agencyの感覚を保つために,自己モデルの再構成プロセスが必要となり,その脳活動をfMRIにより測定することができる。さらに(2)Self-coherenceに関する課題として,ゴムの手の錯覚課題をMRI中に行うための器具・システムを開発した。課題中に,ゴムの手が,隠された自分の手のよう感じられる錯覚を起こすことに成功し,「見たもの(非自己)」と「感じたもの(自己)」の境界が曖昧になる状態,すなわちself-coherenceの浸食状態に関わる脳活動をfMRIで測定可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究全体の方向性、実験デザインの考案などはおおむね進んでいるものの、MRI実験に用いるゴムの手の提示器具の開発にやや時間を要し、その部分の進行がやや遅れている。また、Agency課題においては、課題の作成と評価は終えており、あとはほぼ画像撮像を行うのみとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね、当初の推進方策に従って行ってよいと考えている。ややMRI対応の器具の開発に時間を要した分、被験者リクルート・撮像予定をスピードアップすることを考えている。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Social Neuroscience of Alexithymia2011
Author(s)
Y.Moriguchi
Organizer
The 21st World Congress on Psychosomatic Medicine : Symposium : Alexisomia : A Shift in Focus from Alexithymia
Place of Presentation
National Museum of Korea, Seoul, Korea(招待講演)
Year and Date
2011-08-25
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