2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390196
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸澤 宏之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80324630)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 肝癌 / 肝前駆細胞 / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
Activation-induced cytidine deaminase (AID)はヒト自身の遺伝子(DNA)配列に変異を導入する活性を有することが示されている遺伝子編集酵素である。申請者らのこれまでの解析結果から、肝癌をはじめとするさまざまなヒト消化器癌の発生過程において、感染や炎症反応により上皮系細胞に異所性にAIDが発現誘導されること、その結果、遺伝子変異が生成・蓄積し、腫瘍発生に重要な役割を果たしていること、が明らかとなってきた。しかしながら、肝癌の発生が肝組織の幹細胞や前駆細胞を起源としているのか、どのような遺伝子異常を獲得することにより腫瘍化にいたるのか、については不明のままであった。そこで、肝前駆細胞移植モデルを用いて、AID-Tgマウスの胎仔肝組織から肝前駆細胞を分離し、レシピエントマウスへの経脾的移植を行い、肝障害誘導を行ったところ、生着した移植細胞はレシピエントマウス肝組織において肝腫瘍を発生させることが明らかになった。レシピエントマウスに発生した肝腫瘍の大部分は高分化型の肝細胞癌であり、一部に胆管癌成分もふくまれていることが確認された。また、全エクソン領域の塩基配列を次世代シーケンサーにより同定し、腫瘍細胞と移植した肝前駆細胞で比較することにより、腫瘍化に際して肝前駆細胞が獲得したゲノム変化の全体像を特定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝前駆細胞の移植実験は順調に進行している。同時に並行して進めているEpCAM-Cre遺伝子改変マウスの作成作業については現在、コンストラクトのinjectionは終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
EpCAM-Creマウスは当初の計画予定ではノックインマウスとして作成する予定であったが、CreのノックインによりEpCAM遺伝子に隣接して存在するミスマッチ修復遺伝子に悪影響が生じることが作業を進める上で判明した。このため、EpCAM プロモーター配列をBACとして取得したのちにCre配列を融合させてトランスジェニックマウスとして作成する、という方針で作業目標を達成した。
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Research Products
(2 results)