2011 Fiscal Year Annual Research Report
難治性コモン不整脈における遺伝子ー環境因子相互作用:GWASデータに基づく検討
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23390205
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
古川 哲史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80251552)
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Keywords | 不整脈 / 心臓突然死 / 心房細動 / GWAS / 遺伝子変異 / 遺伝子多型 / 炎症 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
(1)心房細動のGWAS研究をさらに展開し、開始時の6遺伝リスクから12遺伝リスクに対象が大幅に増えた。 このうち6つは人種を超えたリスク、4つは欧米人特異的リスク、2つは日本人特異的リスクであった(論文投稿中)。 (2)今年は、12リスクのうち有意水準の高かった2リスク(ラボネームAF1,AF2)の機能解析を行った。AF1は近傍の遺伝子Pix2の転写調節をエピゲノム制御することが明らかとなった。AF2は、心筋細胞の細胞周期を影響することにより細胞増殖に影響することが示唆された。 (3)心房細動と炎症の研究では、心房伸展によりpannexin-2を介してATPが放出され、これがマクロファージの遊走を刺激すること、これが心房リモデリング、心房頻脈性不整脈の誘発に関与することが判明した(論文投稿中)。一方、TLR4のKOマウスを用いた検討では、圧負荷刺激や高血糖などで野生型マウスとKOマウスで差を認めず、TLR4は心房リモデリングへの影響は大きくないものと考えられた。 (4)突然死のGWASで同定されたNOS1APの研究では、NOS1AP KOでベースラインから酸化ストレスの影響が強く、圧負荷により酸化ストレスの影響、心機能の低下が野生型マウスに比べてKOマウスで強く、死亡率も有意に増加した。NOS1APは、酸化ストレスの増強により突然死を増加させたことが示唆される。 (5)ヒスープルキンエ系特異的に発現する転写因子のKOマウスを作成し解析したところ、ベースラインで不整脈の出現が増加し、心筋梗塞後の不整脈出現が有意に増加した。複数のヒトの家族性突然死症候群で遺伝子変異、遺伝子多型の探索をしたところ、2家系で遺伝子変異が同定され、6患者で希少遺伝子多型の存在が確認された。同遺伝子はヒト突然死の新たな原因遺伝子であることが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
pannexin-2およびNOS1APの解析はおおむね終了し、論文投稿あるいは論文準備中となり、当初の計画は順調に進んでいる。これに加えて、心房細動のGWAS研究がさらに発展し、申請時明らかになっていた6リスクから12リスクに対象が倍増した。研究過程で当初想定していなかった心臓突然死の新たな候補が想定され、ヒト疾患でも遺伝子異常、遺伝子多型が同定された。この2点から、当初の計画以上に進展していると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに同定された心臓突然死原因遺伝子の候補の解析を中心に行い、候補から確立した概念とすることが次年度の達成課題と考える。それ以降は、同遺伝子類縁遺伝子が2つほど想定されることから、これらがヒト心臓突然死の原因遺伝子となるかを新たな検討項目として追加する。 心房細動GWAS結果の機能解析は、候補遺伝子が12と倍増したことから、すべてを検討することには無理がある。そこで、優先順位を絞ってオーダーメイド医療へ実現性が高いものから解析を行うことを計画する。
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Research Products
(31 results)
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[Journal Article] Circulating KCNH2 current-activating factor in patients with heart failure and ventricular tachyarrhythmia2011
Author(s)
Siguyama H, Nakamura K, Morita H, Akagi S, Tani Y, Katayama Y, Nishii N, Miyoshi T, Nagase S, Kohno K, Kusano FK, Ohe T, Kurokawa J, Furukawa T, Ito H
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 6
Pages: e19897
Peer Reviewed
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[Presentation] Polymorphisms on atrial fibrillation-associated locus 4q25 could accelerate the disease onset and the recurrence after pulmonary vein isolation2012
Author(s)
Ebana Y, Hachiya H, Inaba O, Nitta J, Swawabe M, Nogami A, Takahashi A, Nakamura H, Hirao K, Isobe M, Furukawa T
Organizer
The 76^<th> Annual Scientific Meeting of the Japanese Circulation Society
Place of Presentation
福岡
Year and Date
2012-03-17
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[Presentation] Genetic risks of atrial fibrillation in Japan2011
Author(s)
Furukawa T
Organizer
4^<th> Asia Pacific Heart Rhythm Society scientific Session (APHRS 2011), 26^<th> Annual Scientific Session of the Japanese Heart Rhythm Society, 28^<th> Annual Scientific Session of the Japanese Society of Electrophysiology
Place of Presentation
福岡(招待講演)
Year and Date
2011-09-21
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