2011 Fiscal Year Annual Research Report
心筋へのリプログラミングを誘導するエピジェネティック因子、マイクロRNAの同定
Project/Area Number |
23390216
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
家田 真樹 慶應義塾大学, 医学部, 特任講師 (70296557)
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Keywords | エピジェネティック / リプログラミング / 心筋 / マイクロRNA |
Research Abstract |
1-心筋リプログラミング過程で誘導されるエピジェネティック因子の同定 心筋リプログラミングにおけるエピジェネティック変化の分子基盤を明らかにするため、リプログラミング過程で誘導されるエピジェネティック因子を同定する。経時的にiCM細胞の遺伝子発現を解析することで目的のエピジェネティック因子を同定する。方法としては以前作成した心筋細胞のみGFPを発現する遺伝子改変マウスを用いて、このマウス心臓線維芽細胞にGata4,Mef2c,Tbx5を導入し経時的にGFP陽性のiCM細胞をFACSにより選別収集する(Ieda M,Cell,2010)。iCM細胞の遺伝子発現をマイクロアレイで線維芽細胞、心筋細胞と比較し、リプログラミング過程で誘導されるエピジェネティック因子を同定する。これまでに行った実験でiCM細胞は誘導2週間後に心筋細胞とかなり似た遺伝子発現パターンを示すことが明らかになった。また心筋誘導2週間後と4週間後のiCM細胞を比較したところ、時間経過とともに心筋細胞の機能的成熟を示す遺伝子群の発現が上昇しており、それとともに心筋に強く発現するエピジェネティック因子も誘導されていることが確認された。 2.心筋リプログラミングを誘導するエピジェネティック因子の同定 心筋リプログラミング過程で惹起されるエピジェネティック変化を解析する。心筋リプログラミング過程のエピジェネティック変化としてiCM細胞における心筋細胞特異的遺伝子のヒストンメチル化やアセチル化、DNAメチル化状態を検討する。GFP陽性のiCM細胞をFACSにより選別し、エピジェネティック状態をChromatin immunoprecipitation法(ChIP)、Bisulfite sequencing法を用いて解析し、線維芽細胞、心筋細胞と比較する。その結果、iCM細胞は線維芽細胞と比較して心筋特異的遺伝子のヒストンメチル化の抑制マーカーH3K27皿e3が有意に低下しており、逆に活性化マーカーであるH3K4me3は上昇していた。これらの発現変化を制御するエピジェネティック因子を同定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、誘導心筋でのエピジェネティック候補因子やエピジェネティック変化を解析できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は心筋リプログラミングを誘導するエピジェネティック因子による心筋誘導制御機構とマイクロRNAによる心筋リプログラミング制御機構の解明研究を推進する。
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Research Products
(7 results)