2011 Fiscal Year Annual Research Report
免疫学的介入による心筋梗塞後リモデリング予防法の開発
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23390217
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐野 元昭 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30265798)
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Keywords | 心不全 / 線維化 / 樹状細胞 / リンパ球 / マクロファージ |
Research Abstract |
1.樹状細胞の役割 樹状細胞を除去したマウスを用いて樹状細胞が心筋梗塞後リモデリングを抑制する方向に作用する事を明らかにしてCirculation誌に報告した。現在、樹状細胞による心筋梗塞後リモデリングを抑制効果の分子機序に関してさらに詳細に検討を続けている。 2.γδ細胞の役割 心筋梗塞後に最初に浸潤してくる好中球やマクロファージから産生されるIL-23によってγδ細胞の増殖とIL17の産生性が高まる。IL-17の産生性γδ細胞は梗塞後7-14日後をピークに梗塞部及び梗塞周辺部に浸潤してきて、好中球の浸潤、マクロファージの極性を炎症惹起性に維持させる、線維芽細胞の増殖と線維化の促進を介して心筋リモデリングを促進する方向に作用することを明らかにした。現在、γδ細胞のリクルートにかかわる分子機序の解明を進めている。 3.NK細胞の役割 NK細胞をノックアウトすると梗塞後比較的早期にマウスが死亡する。死亡する原因は、心破裂でも不整脈死でもない。また、梗塞サイズもかわらない。死亡するマウスを呼吸速拍状態が持続しており、現在、肺におけるNK細胞の抗肺水腫効果に関して検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
樹状細胞の役割に関する研究は、論文にまとめて発表した(Anzai A,et al.Regulatory Roleof Dendritic Cell sinpost-Infarction Healing and Left Vbntricular Remodeling.Circulation.2012)。γδ細胞の役割に関してもJ Clin invest誌に論文投稿し現在revise中である。平成24年度以降の目標であったNK細胞の関与についてもすでに興味深い研究結果を得ており当初の計画通り以上に進展していると自己評価させていただいた。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫系に関する様々な遺伝子操作マウスを駆使して、樹状細胞、γδ細胞、NK細胞の心筋梗塞後リモデリングにおける役割を明らかにしていく。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Regulatory role of dendritic cells in postinfarction healing and left ventricular remodeling2012
Author(s)
Anzai A, Anzai T, Nagai S, Maekawa Y, Naito K, Kaneko H, Sugano Y, Takahashi T, Abe H, Mochizuki S, Sano M, Yoshikawa T, Okada Y, Koyasu S, Ogawa S, Fukuda K
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Journal Title
Circulation
Volume: 125(10)
Pages: 1234-45
DOI
Peer Reviewed
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