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2011 Fiscal Year Annual Research Report

新規遺伝子改変マウスを用いた転写因子MafBの気腫化肺形成に関わる機序の探究

Research Project

Project/Area Number 23390220
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

柴田 陽光  山形大学, 医学部, 講師 (60333978)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 黒谷 玲子  山形大学, 理工学研究科, 助教 (00453043)
Keywords喫煙 / COPD / マクロファージ / 転写因子 / MafB
Research Abstract

(1)作成されたMafB遺伝子改変マウスとコントロールマウスより、気管支肺胞洗浄で肺胞マクロファージを回収し、IgGでオプソニン化マイクロビーズに対する食食能をFACSにて比較定量的した。その結果、遺伝子改変マウスでは食食能が有意に低下していることが証明された。よってMafBはマクロファージの食食能に寄与することが理解された。
(2)電子顕微鏡的な形態の観察を行ったところ、コントロールマウスの肺胞マクロファージが細胞表面上に棒状の偽足を多数有しているのに対して、本マウスの偽足は膜状に形態が変化していることが観察された。よってMafBはマクロファージの細胞形態を制御することが理解された。
(3)(1)および(2)の所見から本マウスのマクロファージにいては、細胞骨格が大きく変化している可能性が示唆された。Real-time PCRにてアクチンの発現量を評価したが、コントロールと差は認めなかった。しかし、ファロイジンにて重合アクチンを蛍光染色したところ、本マウスでは重合したアクチンが減少していることが観察された。よってMafBはマクロファージの細胞骨格の制御に関与することが理解された。
(4)本遺伝子改変マウスの免疫応答を評価するために、気管内にリポポリサッカライド(LPS)を投与し、集積してくる好中球数と、サイトカインの発現を評価した。LPS気管内投与6時間後では気管支肺胞洗浄液中に好中球数は減少しており、48時間後では逆に好中球数が増加していた。投与6時間後ではサイトカインMIP2の発現が減少していた。48時間後のサイトカイン発現に関しては現在検討中であるが、MafBはマクロファージの免疫応答に寄与する可能性が高いことが示された。
(5)本遺伝子改変マウスの肺胞マクロファージでは、早期アポトーシスが、コントロールよりも亢進していることが示された。MafBはマクロファージのアポトーシスを抑制することが理解された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本遺伝子改変マウスにおける解析にて、MafBの機能:(1)貧食能の制御、(2)細胞骨格の制御、(3)生体内での免疫応答の制御(4)アポトーシスの抑制を証明することができた。

Strategy for Future Research Activity

マクロファージ特異的DN-MafB発現マウスへの煙荷
この遺伝子改変マウスとコントロールマウスに喫煙負荷装置(MIPS社)を用いて、20本1日×6ヶ月間(週5日間)全身曝露喫煙負荷をかける。我々は以前この方法でマウスに肺気腫が形成されることを報告している。よって当方法にて確実に肺気腫が形成されることが期待できる。
喫煙負荷マウスの解析
喫煙負荷をかけた遺伝子改変マウスとコントロールマウスを屠殺して以下の項目に関して検討する。
A)病理学的な肺気腫の形成程度の比較
(1)Mean lner intercept:COPD形成の程度を肺胞腔のmean liner interceptを計測し、比較することにより評価する。
(2)Point counting法による単位面積当たりの肺実質の比率計測:喫煙負荷後に肺の一定面積当たりの肺実質の占める割合を算定し、コントロールマウスと比較する。
(3)Destructiveindex:喫煙負荷に肺胞破壊の程度を評価し、コントロールと比較する。
B)喫煙負荷後のマウス肺機能の比較
(1)肺コンプライアンスの評価:喫煙負荷により肺に気腫化が生じることは、マウス肺の弾性収縮力の低下につながる。マウス肺機能測定装置を用いて、肺圧量曲線を作成し、肺コンプライアンスを評価する。
(2)呼吸抵抗の評価:喫煙負荷により気道に炎症が生じることは、マウス呼吸抵抗の増大につながる。マウス肺機能測定装置を用いて、呼吸抵抗を測定し評価する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2011

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results)

  • [Journal Article] The Relationship between Serum Uric Acid and Spirometric Values in Participants in a Health Check : The Takahata Study2011

    • Author(s)
      Aida Y, Shibata Y, et al
    • Journal Title

      Int J Med Sci

      Volume: 8 Pages: 470-478

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Impairment of Pulmonary Function is an Independent Risk Factor for Atrial Fibrillation : The Takahata Study2011

    • Author(s)
      Shibata Y, et al
    • Journal Title

      Int J Med Sci

      Volume: 8 Pages: 514-522

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Soluble Endothelial Selectin in Acute Lung Injury Complicated by Severe Pneumonia2011

    • Author(s)
      Osaka D, et al
    • Journal Title

      Int J Med Sci.

      Volume: 8 Pages: 302-308

    • DOI

      10.7150/ijms.8.302

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Impact of cigarette smoking on maximal expiratory flow in a general population : the Takahata Study2011

    • Author(s)
      Nemoto T, et al
    • Journal Title

      Intern Med

      Volume: 50 Pages: 2547-2555

    • DOI

      10.7150/ijms.8.514

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2013-06-26  

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