2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子改変マウスを用いた転写因子MafBの気腫化肺形成に関わる機序の探究
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23390220
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
柴田 陽光 山形大学, 医学部, 講師 (60333978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒谷 玲子 山形大学, 理工学研究科, 助教 (00453043)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 喫煙 / COPD / マクロファージ / 転写因子 / MafB |
Research Abstract |
転写因子MafBの気腫化肺形成に関する役割を検討するために、マクロファージ特異的ドミナントネガティブMafB遺伝子改変マウス(DN-MafBマウス)に対して、エラスターゼ誘導肺気腫形成モデルの作成を試みた。腹腔全身麻酔後に気管内へ1.5単位ブタ膵エラスターゼを投与し、21日後に肺標本を作製し、病理学的に気腫性変化の評価を行った。コントロールマウスでは有意な気腔の開大を認めたが、この変化がDN-MafBマウスでは有意に抑制されていた。エラスターゼ投与後0、7、21日日後に気管支肺胞洗浄(BAL)を行ったところ、投与7日目に両群にて細胞数の増加は認めたが、両群間で総細胞数ならびに白血球分画に有意差を認めなかった。光学顕微鏡で偽足の認められる肺胞マクロファージ数は、投与7日目に両群で有意に増加していたが、コントロールに比しDN-MafBマウスで有意に減少していた。フローサイトメトリーを用いて、投与後7日目のBAL細胞の解析を行ったところ、成熟型肺胞マクロファージと考えられるF4/80中等度陽性・CD11b低・中等度陽性細胞数がDN-MafBマウスにて有意に減少していた。投与後7日目のBAL細胞に対する免疫染色では、コントロールマウスで多くの細胞がMMP-9, MMP-12が陽性であるのに対して、DN-MafBマウスでは明らかに陽性細胞は減少していた。一方、肺実質の炎症をBAL液のTNF-alpha, IL-6 蛋白濃度で評価したが両群で有意差を認めなかった。以上の結果より、DN-MafBマウスでは、肺胞マクロファージの成熟過程の障害のために、エラスターゼ投与後にマクロファージから産生されるMMPが減少するため肺の気腫化形成が阻害されることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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