2011 Fiscal Year Annual Research Report
セレクチンリガンドを有するKL-6/MUC1の発現機序の解明と臨床応用
Project/Area Number |
23390222
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
横山 彰仁 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (30191513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 哲也 高知大学, 教育研究部・医療学系, 准教授 (30274377)
池添 隆之 高知大学, 教育研究部・医療学系, 講師 (80294833)
大西 広志 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (90553876)
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Keywords | 肺線維症 / 急性肺障害 / 非閉塞性肺疾患 |
Research Abstract |
1)MUC1上のセレクチンリガンドとなる糖鎖、特にシアリルルイスaの発現および制御機構の解明:分子機序を明らかにする目的でヒトMUC1のトランスジェニックマウスについて検討した。我々が測定しているセレクチンリガンドはシアリルルイスa分子であるが、その合成にはフコース転移酵素FUT3が必須である。ところが、本来マウスでは本FUT3遺伝子がpseudogeneになっているため活性のある酵素を作れないとされている。従って、ルイスa、ルイスb、シアリルルイスaのようなフコシル化type1糖鎖はマウスにおいては合成されないと考えられる。しかしながら、ヒトMUC1トランスジェニックマウスにおいては、LPSの経気道的投与により、BALF中にシアリルルイスaが検出される。このシアリルルイスaが産生されるメカニズムを明らかにすることがSLAKの生成機序解明に重要と考え、今後明らかにする予定である。 2)セレクチンリガンドを有するKL-6/MUC1とDICの因果関係の解明臨床検体の収集と解析:ARDSや特発性肺線維症(IPF)の急性増悪、ニューモシスティス肺炎、肺結核など他の感染症を含め、多数例の血清あるいは気管支肺胞洗浄液(BALF)を収集している(当科の呼吸器科医師10名の協力による)。 3)多施設共同前向き臨床研究:実施に向けて、高知医療センター(632床)、高知赤十字病院(482床)、国立高知病院(424床)、近森病院(338床)、JA高知病院(180床)県立安芸病院(258床)、幡多けんみん病院(355床)の各急性期病院で、各呼吸器科および救急・麻酔科医師を研究協力者として、共同研究プロトコールを作成し検討した。本研究では特に迅速な結果報告システムの構築が重要であるが、現時点ではシステムに難があり、今後さらに実施が容易な方法を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セレクチンリガンドを有するMUCl/KL-6の発現機序について、いまだ解明できてはいないが、ヒトMUC1トランスジェニックマウスを用いることで解明に近づいている。その他についてもおおむね順調に経過している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトMUC1トランスジェニックマウスにおいては、LPSの経気道的投与により、BALF中にシアリルルイスaが検出されることが明らかとなった。本マウスでのシアリルルイスaの発現メカニズムを明らかにすることがSLAKの生成機序解明に重要と考え、今後本マウスの解析を中心に行う予定である。
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