2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390226
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宮本 賢一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70174208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 慎介 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 特任助教 (30437652)
瀬川 博子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (70325257)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | FGF23 / Klotho / リン / 腎臓 / 慢性腎臓病 |
Research Abstract |
慢性腎臓病の進行や透析患者の生命予後においてリンコントロールは非常に重要な役割を演じている。近年、リン酸(以下リン)代謝調節系を支配する中核的なホルモンとして繊維芽細胞様増殖因子 FGF23 /klotho系が明らかにされた。本研究では、腎遠位尿細管から近位尿細管へのシグナルを伝えるFGF23/klotho系の解明を中心に、腸管/腎臓/骨を結ぶ未知のリン調節因子の探索を行なった。平成24年度は、平成23年度の実績を基盤として、以下の3項目について実施した。項目1: FGF23/Klothoの近位尿細管細胞でのリン輸送に対する役割、項目2: FGF23刺激後の培養上清における新規因子の同定、項目3:klotho(-/-)及びNaPi-IIa/NaPi-IIc D-KO(ダブルKO)マウスの解析である。項目1については、 FGF23による NaPi-IIc(リントランスポーター)の抑制機序を解明しリン酸化を介した輸送機能の不活性化を明らかにした。この機序にも klothoは必須であり、kotho (-/-)マウスの腎臓では、このような不活性化は確認できなかった。項目2においては、 FGF23刺激後の20分の培養液中に、活性型ビタミン D合成抑制やリン利尿因子の存在について検討した。 しかしながら、 HPLCを用いて精製した分画には、明確な機能を有する分子は同定されなかった。現在、より短時間での分泌因子の同定を行なっている。項目3においては、 klotho(-/-)マウス腎臓の初代遠位尿細管培養細胞を用いて、カルシウムおよびリン輸送における異常及び、尿中 klothoの分泌低下がミネラル代謝に及ぼす影響について検討した。また、 klotho/NaPi- IIc D-KOマウスを解析して、 NaPi-IIcの有する klotho-dependent なリン利尿作用を、明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の計画に従い、3項目の研究項目ついて実施した。計画は3年間で完結予定であるが、2年目の計画はおおむね達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
遠位尿細管から分泌される液生因子の検出方法について、新規の方法を考案中である。検出方法に問題点はあるが、その以外は、当初の計画に準じて研究を推進する予定である。
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Research Products
(37 results)