2011 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジー調節による尿細管分化と尿中再生マーカーを使う急性腎障害の再生医学
Project/Area Number |
23390227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
寺田 典生 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (30251531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香川 亨 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (20380339)
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Keywords | 腎臓 / 尿細管 / 再生医学 / 急性腎障害 / 虚血 / 慢性腎臓病 / オートファジー / 脱分化 |
Research Abstract |
平成23年度は、腎胎生期マーカー遺伝子の発現を指標として急性腎障害回復期の腎組織をコラゲナーゼ処理して、FACSで細胞を単離し、培養する。具体的なマーカーとしては、Ets1,Wnt4,Delta-1,Notchが候補であるが一般的な未分化のマーカーのc-kit,Sca-1についても検討した。また細胞周期の変化と再生をin vivoでモニターできるTGマウス(Fucci mice)を使用し、急性腎障害の尿細管再生を共焦点顕微鏡でモニターし、脱分化のメカニズムを詳細に検討した。また腎組織をコラゲナーゼ処理して、FACSで細胞をFITC、Alexaをマーカーとし単離し培養した。GFP-LC3-トランスジェニックマウスを使用し、急性腎障害でオートファジーが引き起こされる新規遺伝子Sestrinに注目し、Sestrinが急性腎障害回復期に近位尿細管細胞で誘導され,LC3-GFPで観察されるAutophagozomeとの局在を共焦点顕微鏡で観察した。またSestrin遺伝子の強制発現およびsiRNAによる遺伝子発現抑制系を用いて、LC3-GFP遺伝子を安定発現させた培養尿細管細胞でオートファジーの変化とアポトーシスの抑制を現在確認している。同時にRT-PCR,Westernblotを用いた遺伝子とタンパク発現の両面からSestrinのオートファジー系への作用を検討する。急性腎障害でHIF-1依存的に誘導される新規遺伝子BNIP3に注目し、BNIP3が急性腎障害回復期に近位尿細管細胞で誘導され,LC3℃FPで観察されるAutophagozomeおよびMitophagyとの局在を電子顕微鏡で観察した。 上記内容を学会発表し、下記の論文で発表をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の成果はほぼ順調に進展しており、下記のように国際学会誌、あるいは国内学会誌で発表し、腎疾患の新規の治療法の可能性、成果を社会に発信している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後臨床応用を鑑み、高知大学医学部倫理委員会の許可(承認番号22-61)を得て、CKD患者での急性腎障害の患者尿での早期バイオマーカーの検索と尿沈渣内の尿細管細胞を単離後、single cellからのReal-time PCR法により脱分化マーカーとしてのWnt4,Notchの遺伝子発現を定量的に検出する方法を開発し尿細管の障害のマーカーとともに再生のマーカーを検索している。
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Research Products
(5 results)