2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390229
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 秀臣 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60396752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 祐二 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00372392)
後藤 順 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10211252)
堀田 晶子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20534895)
関 常司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30206619)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | NBC1 / 片頭痛 / 尿細管性アシドーシス |
Research Abstract |
NBC1がCommon Diseaseの一つである片頭痛を合併する仮説を説いたが、そのためにNegative Effectを他の同様な輸送体(AE-1による遺伝子異常はDominant Negativeの効果を認めて、優性遺伝形式をとる遺伝性尿細管性アシドーシスを発症することが分かっている。Karet FE, et al. Nat Genet 2003)NBC1はAE-1と同じ重炭酸輸送体(SLC4)に属して構造も類似して二量体を形成することが知られている。ここで遺伝子変異のP522LはXenopus Oocyteによる膜発現実験で膜への発現が阻害されているタイプであった。このL522P変異体を人工的に作成したものをXenopus Oocyteを用いた遺伝子発現実験および培養細胞で膜発現実験を行った。ここでL522Pに対しての変異体とWTのNBC1を共発現させると、明らかなDominant Negative効果を認めた。これを2013年4月にオンラインでPfluegers Arch(Euro J Physiol)雑誌に"Identification of dominant negative effect of L522P mutation in the electrogenic Na+-HCO 3 - cotransporter NBCe1."として報告をしている。これにより常染色体一方の遺伝子変異でNBC1活性が著しく阻害される可能性を示した。現在片頭痛患者のデータベースにより、NBC1遺伝子異常をスクリーニングしている。これにより常染色体優性形式でコンパウンドへテロではない、片方のNBC1遺伝子異常でもDominant Negative効果があれば片頭痛発症の可能性を示唆していると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
KOマウスの作成は困難を極めているが、NBC1のDominant Negative効果について論文としてまとめることができたこと。また片頭痛患者のNBC1など遺伝子解析が順調に進んでいることから上記判断とした。
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Strategy for Future Research Activity |
アストロサイト特異的 NBCe1 機能欠損マウスの解析:まず IRBIT 完全欠損・NBCe1 ヘテロ欠損マ ウス脳から培養アストロサイトを樹立し、高K溶液潅流に対する細胞内pH上昇反応の度合いを定 量化し、同胞の IRBIT 完全欠損・NBCe1 野生型マウスから得られた細胞と比較して NBCe1 輸送活性 がさらなる減弱を示していることを確認する。 次に平成 23 年度研究計画に準じて海馬領域および視床皮質スライスを取り出し、電気生理学的 手法を用いて CSD,DIA などを比較検討することにより、特にアストロサイトに発現する NBCe1 機 能と片頭痛発症機構の関連を明らかにする。これらの実験は主に山田と関が担当する。 NBCn2 変異の機能解析: 遺伝子解析により同定された NBCn2 の機能解析についても、NBCe1 と同様 に複数の発現系を組み合わせて解析する。具体的にはpcDNA3.1ベクターに組み込んだNBCn2ヴァ リントに、遺伝子解析により同定された変異を導入する。この輸送体は NBCe1 と異なり電気的に 中性であるため、アフリカツメカエル発現系においては微小 pH 電極もしくは pH 感受性蛍光色素 を用いた細胞内pH測定により輸送活性を比較する。またHEK293細胞においてはpH感受性蛍光色 素を用いて細胞内アシドーシスからの回復反応から輸送活性を比較する。さらに GFP-NBCn2 コン ストラクトを HEK293, C6 グリオーマ細胞などに発現させ、共焦点レーザー顕微鏡を用いて細胞内 局在変化についても見当する。これらの実験は主に山田と堀田が担当する。
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