2011 Fiscal Year Annual Research Report
縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーにおける筋線維内アミロイド蓄積機構の解明
Project/Area Number |
23390236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Neurology
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
野口 悟 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 室長 (00370982)
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Keywords | 細胞・組織 / 蛋白質 / 糖 / 骨格筋 / アミロイド |
Research Abstract |
本研究では、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)での筋線維内タンパク質蓄積のメカニズムを探ることを目的としている。モデルマウスを材料にして、筋線維内に蓄積したタンパク質の解析を行った。免疫電子顕微鏡観察では、アミロイドは不定形の蓄積物とともに、自己貪食空胞内に存在することが示された。また、骨格筋単線維の解析から、光学顕微鏡レベルで観察される自家蛍光性の蓄積物は、電子顕微鏡レベルでは封入体とそれを取り巻く自己貪食空胞と一致した。興味深いことに、タンパク質蓄積物周囲の筋原線維は変性を伴わないことが示された。また、これらの自家蛍光性蓄積物は、微小管に沿って存在していることが明らかとなった。つまり、観察されたタンパク質蓄積物は、細胞内輸送装置によって、運ばれていると考えられた。また、蓄積物や自己貪食空胞は収縮装置への物理的な影響はあるものの、細胞毒性はあまりないと考えられた。また、筋組織内での筋萎縮やストレスに関連したシグナル解析をおこなったが、筋線維内で、筋萎縮に働く、Foxo3の脱リン酸化、核内移行とともに翻訳開始因子であるeIF2alphaのリン酸化が亢進していることがわかった。両者はDMRV筋の筋萎縮に働いていると考えられた。今後は、in vivoでのアミロイド過剰発現系での解析、生体からの筋線維培養系と合わせて、筋線維内タンパク質蓄積と筋萎縮、筋変性との関連を解析していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体的にはおおむね順調に進展している。しかしながら、変異アミロイド過剰発現系をアデノウイルスベクターでの構築を試みたが、高タイターが得られなかった。また、生体からの骨格筋線維培養系では数時間の培養は可能であったが、タンパク質蓄積筋線維が少ないため、ドラッグスクリーニングの解析系の確立には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
上記以外はほぼ順調に進んであるため、引き続き、研究実施計画に従って研究をすすめていく。変異アミロイド過剰発現系をアデノウイルスベクターでの構築を試みたが、高タイターが得られなかったため、現在、レンチウイルスベクターにて進めている。
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Research Products
(9 results)