2012 Fiscal Year Annual Research Report
縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーにおける筋線維内アミロイド蓄積機構の解明
Project/Area Number |
23390236
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
野口 悟 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第一部, 室長 (00370982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
漆葉 章典 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, トランスレーショナルメディカルセンター臨床開発部, 流動研究員 (70635078)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞・組織 / 蛋白質 / 糖 / 骨格筋 / アミロイド |
Research Abstract |
本研究では、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)での筋線維内タンパク質蓄積のメカニズムを探ることを目的としている。モデルマウスを材料にして、筋線維内に蓄積したタンパク質の解析を行っている。骨格筋単線維内で自家蛍光性の蓄積物は微小管に沿って存在し、電子顕微鏡レベルでは封入体とそれを取り巻く自己貪食空胞と一致するとともに、封入体アミロイドは陽性を示した。今年度は、光学顕微鏡と電子顕微鏡でのシームレスの観察を行うことを目的として、Q-dotを用いた免疫染色法の確立を目指した。まず、細胞膜および細胞内膜小器官抗原に対する抗体染色でQ-dotでの視覚化を試みたが、電子顕微鏡下でQ-dotが認められるものの、膜構造の破壊が観察された。現在は、蓄積タンパク質のQ-dotでの染色を試みている。 また、レンチウイルスでのアミロイド発現系を確立した。初代培養細胞にも良好に発現していることを確認した。現在、遠位型ミオパチーモデルマウスに由来の初代培養細胞または骨格筋単線維培養系と組み合わせて、筋線維内タンパク質蓄積と筋萎縮、筋変性との関連を解析している。 一方、II型糖原病であるPompe病の筋線維内に蓄積した封入体のプロテオーム解析を行った。未固定染色サンプルでのレーザーマイクロダイセクションの系を確立し、LC-MS/MSでのショットガン解析にて行った。いくつかの筋原線維結合タンパク質のほか、小胞体タンパク質、ミトコンドリアタンパク質、代謝酵素、ポリユビキチンが封入体に含まれていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体的にはおおむね順調に進展している。骨格筋サンプルでのQ-dotの検出には成功しているが、抗原によっては、組織の破壊が認められるが、細胞質抗原にではうまくいっている。レトロウイルスベクターでの変異アミロイド過剰疾患モデル細胞での解析を精力的に進めている。また、生体からの骨格筋線維培養系をより使いやすいものに改良している。 DMRVではタンパク質蓄積筋線維が少ないため、蓄積タンパク質の同定には至っていないが、代わりに、Pompe病骨格筋のプロテオーム解析を進め、骨格筋内封入体タンパク質の同定に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究実施計画に従って研究をすすめていく。レトロウイルスベクターでの変異アミロイド過剰疾患マウス細胞での、タンパク質蓄積骨格筋モデルの樹立を試みる。Q-dotを用いての、光顕・電顕同一資料の観察を進める。生体からの骨格筋線維培養系での薬剤スクリーニングを開発する。
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Research Products
(10 results)