2011 Fiscal Year Annual Research Report
Vaspinのメタボリック症候群における意義と創薬への展開
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23390241
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
和田 淳 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (30294408)
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Keywords | インスリン抵抗性 / アディポカイン / メタボリックシンドローム / バスピン / 糖尿病 / 脂質異常症 / 高血圧 / 肥満 |
Research Abstract |
【背景】我々は2型糖尿病モデルであるOLETFラットを用いて内臓脂肪に発現上昇を認める遺伝子:visceraladipose tissue-derived serine protease inhibitor(vaspin)を同定した(PNAS,2005)。【目的】糖・脂質代謝、体格指数におけるvaspinの意義・関連を検討し、更に血清vaspin濃度に関わる遺伝要因と環境要因との相対的影響力を1卵生双生児:monozygotic twins(MZ)、2卵生双生児:dizygotic twins(DZ)を用いて検討した。【方法】デンマークのステノ研究所との共同研究によって298名(MZ:126人、DZ:172人)を対象として身体測定(身長、体重、ウエスト、ヒップ)、生化学検査を行い、radioimmunoassay(RIA)を用いて血清vaspin濃度を測定した。75g OGTTを施行した295名をWHO分類に基づいてnormalglucose tolerance(NGT)、impaired fastingg lucose/impairedg lucose tolerance(IFG/IGT)、type 2 diabetes(T2DM)に分類し、多変量解析を用いて、vaspin濃度とメタボリックパラメーターとの関連を検討した。血清vaspin濃度の遺伝率推定値(heritability:h2)に関してはclassical twin analysis法を用いて推定した。【結果】血清vaspin濃度は高値(17.8~29.2ng/ml)を呈した4名(約1%)を除き、平均値は0.47ng/mlであった。Age、gender、body mass index(BMI)、zygosityで補正した後、健常対照群(NGT)と比較して耐糖能異常を有するIFG/IGT、T2DM患者のvaspin濃度は有意に高値を示した。多変量解析の結果、vaspin濃度はage、zygosity、fasting plasma glucose(FPG)、triglyceride(TG)と有意に相関を認めた。またvaspinとBMI1との間にはMZ、DZともに有意な相関を認めなかったが、vaspinとwaist to hip ratio(WHR)との間にはMZにおいてのみ有意な正相関を認めた。Vaspinのheritabilityは男性(h2=-0.09)と比較して女性(h2=0.78)において高い傾向を示した。【結論】Vaspinは遺伝要因でなく主として環境要因によって決定される内臓脂肪蓄積肥満と相関し、糖・脂質代謝に関与するアディポカインであると考えられる。またvaspin濃度のheritabilityに関してsexual dimorphismの存在が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デンマークのステノ研究所との共同研究により、双子研究を推進することによって、バスビン血中濃度を規定する遺伝因子と環境因子について明らかにすることができ、Diabetologiaに掲載した。従って研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
バスピンのメタボリックシンドロームにおけるインスリン抵抗性改善作用(代償機構)について、トランスジェニックマウスとノックアウトマウスで検討している。また日本人の7%にバスピン高値の一群が存在することが明らかとなり、バスピン遺伝子のSNPを発見してその解析を行う。
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Research Products
(5 results)