2012 Fiscal Year Annual Research Report
Vaspinのメタボリック症候群における意義と創薬への展開
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23390241
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
和田 淳 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30294408)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | インスリン抵抗性 / アディポカイン / メタボリックシンドローム / バスピン / 糖尿病 / 脂質異常症 / 高血圧 / 肥満 |
Research Abstract |
【背景】我々は2型糖尿病モデルであるOLETFラットを用いて内臓脂肪に発現上昇を認める遺伝子vaspinを同定した。【目的】Human Vaspin RIAキットを用いて、日本人健診者(n=259)および2型糖尿病患者(n=275) の血中濃度を測定し臨床データとの関連を検討した。さらに肥満者を含む様々なBMIを有する日本人(n=1177)を用いて遺伝的解析を行った。【方法】Human Vaspin RIA測定系を確立した。さらに日本人vaspin遺伝子のSNPs (Single-Nucleotide Polymorphisms)を同定し血中vaspin濃度との関連を検討した。 【結果】日本人健診者、2型糖尿病患者のいずれもVaspin血中濃度は0.5-3 ng/mlであったが、約7%において、血中濃度が10 ng/ml以上の著しい高値を示した。血中濃度3 ng/ml以下で検討すると、健診者に比べ2型糖尿病患者では有意に高値であった (0.99 ± 0.04 ng/ml v.s. 0.86 ± 0.02 ng/ml; p<0.005)。2型糖尿病患者においてvaspin血中濃度はBMI、皮下脂肪面積、HOMA-IR、高感度CRP、leptinと相関を認めた。日本人においてvaspin高値に関連するSNPであるrs77060950を同定し、CC (0.6 ± 0.4 ng/ml), CA (18.4 ± 9.6 ng/ml), AA (30.5 ± 5.1 ng/ml)とvaspin血中濃度を規定していることが判明した。【結論】Vaspinは2型糖尿病患者において肥満度、インスリン抵抗性、慢性炎症と関連している。また日本人において10 ng/ml以上のvaspin血中濃度を規定するのはrs77060950であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本人の7%にバスピン高値の一群が存在することが明らかとなり、バスピン遺伝子のSNPを発見してその解析を行い、バスピン血中濃度を決定するSNPを同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
バスピンのメタボリックシンドロームにおけるインスリン抵抗性改善作用(代償機構)について、トランスジェニックマウスとノックアウトマウスの作出に成功しておりその機能解析を行う。
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Research Products
(15 results)