2012 Fiscal Year Annual Research Report
甘味受容体による内分泌系の新たな制御システムの解明
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23390245
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 甘味受容体 / カルシウム / サイクリックAMP / GLP1 |
Research Abstract |
本年度は主に消化管の内分泌細胞(GLP!産生細胞)における甘味受容体の機能およびその情報伝達系の研究を行った。実験系としてヒトGLP1産生細胞株 HUTU80細胞を用いた。この細胞はGLP1産生能を持つ細胞株で,甘味受容体T1R2, T1R3およびガストデューシンなどの甘味受容体系を発現してる。この細胞にアセスルファームK、サッカリン、スクラロース、グリチルリチンなどの甘味物質を添加すると,GLP1分泌が促進され,この反応は、甘味受容体阻害剤であるラクチゾールで抑制された。そこでこれらの甘味物質により惹起される細胞内シグナルを検討したところ,スクラロースとサッカリンはCa2+とcAMPの両者を増加させたが、アセスルファームKはCa2+を低下させ,グリチルリチンはCa2+をまず低下させ,その後上昇させると言う二相性も反応を示した。このように異なる甘味物質はそれぞれ異なるパターン細胞内シグナルを産生する事が明らかになった。さらにアセスルファームKによるCa2+低下のメカニズムについて検討したところ,アセスルファームKは細胞膜のカルシウムポンプを活性化させてCa2+を低下させるというこれまで多のシグナル伝達系でも知られていないメカニズムによりシグナルを産生する事が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究については順調に進んでいる。現時点では予定を変更せずに進めると予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画にもとづいて,粛々と実験を進めていく予定である。現時点においては支障となる事項は見当たらず,順調に進めていけるものと考えている。
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Research Products
(2 results)