2013 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞の骨髄ニッチ脱着を制御する新規分子群の役割
Project/Area Number |
23390256
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
原 孝彦 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, プロジェクトリーダー(参事研究員) (80280949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 健二 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 主席研究員 (10346132)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 / ニッチ / CXCL14 / ES細胞 |
Research Abstract |
本研究にて樹立したCXCL14 locus-TdTomato BACトランスジェニックマウスの各種臓器凍結切片を作り、TdTomato発現細胞のありかを共焦点蛍光顕微鏡下で探索した。CXCL14陽性細胞に相当する微弱な蛍光シグナルが検出されたが、ニッチ調節機能の証明実験に使用できるレベルではなかった。次に、これも本研究で作出したCMG-1-floxed:Tie2-Creコンディショナルノックアウトマウスの骨髄細胞組成を野生型マウスと比較したところ、造血幹細胞や各種の造血前駆細胞の総数・比率において有意な差は検出されなかった。したがって、CMG-1遺伝子はHSCのニッチ定着に必須ではないと結論した。最後に、Lhx2をDox添加によって過剰発現できるマウスES細胞株(A2Lox-iLhx2)を用いて、ES/iPS細胞由来造血幹細胞の体外増幅の分子メカニズムにアプローチした。昨年報告したGata3に加えて、Lhx2をオフにすると、Hesx1, Tcf3, Fhl1, Sox4, Ebf2といった他の転写制御因子の発現レベルも半分以下になることが判明した。Lhx2過剰発現によってドライブされる造血幹細胞の体外増幅には、複数の転写制御因子の転写誘導が関わっているものと推察される。Lhx2を過剰発現した造血幹細胞は、in vivoでT細胞へ分化できないという欠点を持つ。そこで、A2Lox-iLhx2 ES細胞からDox添加培養によって体外増幅したHSCを放射線照射SCIDマウスへ移植し、Doxを含む水を与えて4週間飼育した。飲み水からDoxを除去してさらに3週間飼育したところ、末梢血と胸腺にドナー由来の成熟T細胞が大量に出現してきた。この移植実験系は、ES細胞からsingle positive T細胞を効率的に分化誘導する世界初の実験系であり、免疫学分野への貢献が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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