2011 Fiscal Year Annual Research Report
SST-REX技術と細胞免疫療法による新たな免疫制御法の開発
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23390258
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
臼井 崇 京都大学, 医学研究科, 准教授 (90362483)
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Keywords | 関節リウマチ / 細胞免疫療法 / 滑膜線維芽細胞 / 網羅的解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は,未だに根本的治療法のない全身性自己免疫疾患に対して,各疾患の病態学的特徴に基づくより特異的な治療法を確立することにより,副腎皮質ホルモン剤・非特異的免疫抑制剤・生物学的製剤等既存の治療法が有する感染症・悪性腫瘍のリスク増大,代謝系への悪影響を減じ,かつコストパフォーマンスの高い新規の治療法を確立することである. 現在、変形性関節症(OA)および層別化関節リウマチ(尽A)滑膜線維芽細胞株のマイクロアレイ解析を行っている。本研究では特により炎症活動性の高いRA滑膜線維芽細胞に特異的な遺伝子を網羅的に検索するため,RA活動性を臨床的にスコア化した手術由来滑膜線維芽細胞株を用いて層別化し,アレイ解析に供している.すでにプレリミナリー解析として,OA=6例,RAO=6例,RA3=3例,RA4=3例,計18症例由来滑膜線維芽細胞株を選定し,各群のRNAをコンポジットした上でAgilent社のアレイ解析結果を得ている.その解析の結果驚くべき事に,OAの遺伝子プロファイルは活動性の低いRAよりむしろ活動性の高いRAに近いことが判明した。これは活動性の低いRAという群が治療に成功してきた例であり,治療薬にも有効であった例を多く含んでいるという臨床背景を考えればむしろ自然な結果であり,さらに我々が過去に実施したOA滑膜器官培養で多くのIL-6産生を検出したことも裏付けられた.また本結果は,これまで行われてきたOA vs over all RAという単純比較解析がナンセンスであり,RA症例内層別化解析の妥当性を支持しており、現在病態に関わる遺伝子群の解析を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
より炎症活動性の高いRA滑膜線維芽細胞に特異的な遺伝子を網羅的に検索するため,関節リウマチ(RA)活動性を臨床的にスコア化し、各症例から得られた滑膜線維芽細胞株を用いて層別化し,アレイ解析に供した。すでにプレリミナリー解析として,OA=6例,RAO=6例,RA3=3例,RA4=3例,計18症例由来滑膜線維芽細胞株を選定し,各群のRNAをコンポジットした上でAgilent社のアレイ解析結果を得ている。現在その詳細を解析中であるが、驚くべき事にOAの遺伝子プロファイルは活動性の無いRAよりむしろ活動性の高い亜RAに近いことが判明し、解析を継続する意義が高いことが予想できるから。
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Strategy for Future Research Activity |
●層別化RA滑膜線維芽細胞株間の遺伝子発現解析 現在RAO vs RA3かつRA4という数式を用いて,変化量および変化率の高い遺伝子を約100個抽出している.その中にも未報告の特徴的な遺伝子群を見いだしており,それらを含めて約40個の遺伝子に絞って(Q-PCRによるvalidationを行う. ●抽出された遺伝子群の機能解析 Validationで再確認された遺伝子を購入もしくはそのcDNAをcloningし,レトロウイルスベクターを用いてgain of functionをストックしている線維芽細胞を用いて,steady stateおよびLPS,IL-17,TNF-alpha刺激下における増殖能への影響および炎症性サイトカイン・ケモカイン・プロテアーゼ誘導能を指標にスクリーニングし,最も本質的な遺伝子を同定していく.
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