2011 Fiscal Year Annual Research Report
制御性B細胞による皮膚免疫疾患の抑制機構の分子メカニズム
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23390281
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤本 学 金沢大学, 医学系, 准教授 (90272591)
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Keywords | 細胞 / 免疫 / 皮膚疾患 |
Research Abstract |
制御性B細胞のシグナル伝達経路について検討を開始した。CD19はB細胞のresponse regulatorとして、幅広いシグナル伝達系を制御している。したがって、CD19が脾臓におけるCD1d^<high>CD5^+の表現型をもつIL-10産生制御性B細胞の分化を制御する上で特異的な経路を同定する必要がある。CD19の制御するシグナル伝達分子の中で有力な候補としてPI3Kがある。CD19はリン酸化チロシン基によってPI3Kの活性化を増強する役割をもつので、これに拮抗する分子であるPTENが欠損すると制御性B細胞の分化が促進する可能性が考えられるため、PTENをB細胞特異的にコンディショナルノックアウト(cKO)したPTEN-cKOマウスを作製した。PTEN-cKOマウスでは、これまでに同定されていない制御性B細胞が著増しており、これらの細胞はin vivoにおいても実験性自己免疫性脳脊髄炎や接触過敏反応を抑制することができた。現在この細胞群を規定する特異的な表面マーカーやその詳細な機能について解析しているところである。 また、このほかに、BLNKがBtkを介してSTAT3を活性化する経路が重要であることを示す結果も得ちれた。 さらに、ヒト自己免疫疾患における制御性B細胞の役割を検討するために、全身性強皮症患者における制御性B細胞の検討を行った。当科を受診した患者から、同意を得た上で、末梢血における制御性B細胞の数を測定し、健常者と比較したところ、有意な減少が認められた。現在、経時的な変化を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の予定を概ね終えることができ、また興味深い実験結果が得られているため
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って,研究をすすめる。
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