2011 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病におけるアミロイド蛋白生成γセクレターゼ活性の生体画像法の開発
Project/Area Number |
23390287
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
尾内 康臣 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 教授 (40436978)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 孝俊 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (60317328)
小川 美香子 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 准教授 (20344351)
間賀田 泰寛 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 教授 (20209399)
|
Keywords | アルツハイマー病 / γセクレターゼ |
Research Abstract |
23年度では、PS1のγセクレターゼ酵素活性によるAPPのプロセシングを、NMRを用いてin vitroで画像化するためのイメージング技術を開発することを目的とし研究を行った。 まず、家族性AD変異を持つPS1(PS1-A246E)を安定的に発現するNeuro2a細胞株(N2a/A246E細胞)において、PS1のγセクレターゼ酵素活性によるAPPのプロセシングをNMRで検出することをねらい、新規の分子機能プローブを作製した。即ち、APPのγ切断部位ペプチド(GGVVIATV)のN末端に、ランタノイド金属イオン(Gd^<3+>)とDOTAの錯体を付加し、また、C末端に[^<19>F]標識したHIV-Tatタンパク質を結合することで、[^<19>F]NMRのT2緩和時間をGd^<3+>によるparamagnetic effectにより短縮して、プローブの[^<19>F]NMRシグナルが減弱されるものを作製した。ここで、HIV (human immunodeficiency virus)-Tatタンパク質はPTD (protein transduction domain)活性を持つので、創製したプローブ(以下、γAPP-Tatと略)を細胞内に取り込ませることに働く。また、γAPP-Tatプローブはγセクレターゼによるプロセシングを受け、[Gd^<3+>]DOTAを遊離するために、[^<19>F]MRIシグナルがNMRで検出できる程度までに増強される。次に、培地にγAPP-Tatプローブを添加することでN2a/A246E細胞に導入し、γセクレターゼによりAPPがプロセシングされることで生じるNMRシグナルから、in vitroでNMRを用いてγセクレターゼ酵素活性を定量的に評価した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
γセクレターゼ酵素活性のMRIによるin vivoイメージング技術を創出するに当たり、その基礎的な技術要素である培養生細胞でのγセクレターゼ酵素活性のNMRによる定量解析系が確立されたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度では、Swedish変異APPを発現するADモデルのトランスジェニックマウス(APP23マウス)に、先に創製したγセクレターゼ酵素活性のin vivoイメージングのための分子プローブ、γAPP-Tatを末梢より投与し、MRIを用いて高解像度で脳内のγセクレターゼ酵素活性を画像化する。また併せて、HIV-Tatタンパク質のアルギニン以外のアミノ酸残基を置換することで変異Tatタンパク質を調製し、脳への導入効率に優れた高PTD活性を持つ変異Tatタンパク質をスクリーニングする。高いPTD活性の認められた変異Tatタンパク質より、新規γAPP-Tatを作製し、分子プローブの脳への取り込みを改善する。
|