2011 Fiscal Year Annual Research Report
副腎静脈サンプリングを応用した原発性アルドステロン症の低侵襲根治術用器具開発
Project/Area Number |
23390296
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高瀬 圭 東北大学, 大学病院, 准教授 (60361094)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 信 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (20400418)
清治 和将 東北大学, 大学病院, 助教 (50400247)
芳賀 洋一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00282096)
佐藤 文俊 東北大学, 大学病院, 講師 (70343051)
山内 清 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教育研究支援者 (70375202)
森本 玲 東北大学, 大学病院, 助教 (30547394)
|
Keywords | primary aldosteronism / adrenal venou sampling / IVR / RF ablation / hypertension |
Research Abstract |
原発性アルドステロン症のIVR治療に適した器具を医療機器メーカー研究部、医工学研究科との協力のもとに開発し、最終的にCelonProsurgeApplicatorによる経皮的副腎焼灼を中心に施行する方針とした。副腎内微細血管の3次元データ抽出に当初計画よりも遅れが出たものの、静脈造影下CTにて抽出した3Dデータに基づき初期静脈模型が作成できた。さらに、MDCT(マルチディテクターCT)の3次元画像データーと副腎静脈サンプリング時にIVR-CTシステムにより経カテーテル的静脈造影下に撮像したCTアンギオグラフィーの医用画像DICOMデータの両者に基づいてさらに詳細な副腎静脈データを解析し、副腎内静脈分枝を含んだ実物大の副腎静脈血管モデルが完成した。このモデルを基に副腎静脈内へのカテーテル留置法と最適形状のカテーテルを考案し日本インターベンショナルラジオロジー学会にて発表した。 リジッドタイプのRFディバイス(プロサージアプリケーター)を含むラジオ波焼灼システム(バイポーラRFAシステムCelonPOWER)により、2極針を用いての300~500kHzの高周波電流、40W 程度の電力で副腎腺腫組織の焼灼を可能とする手技開発に向けた改良プロトコルの試行を豚および牛の摘出副腎を用いて実施した。牛副腎の入手がやや困難で机上実験に遅れを生じたものの、机上試験に基づく豚生体での動物実験を開始できた。 また、PMDAに開発前相談を行い、非臨床試験の進め方の妥当性を確認するとともに、探索的治験の実施計画についての検討も開始した。 副腎のイメージングに関しては、腎機能障害合併症例の多いことを考慮し、MRIの非造影シークエンスでの副腎静脈描出に関する検討を開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
副腎内微細血管の3次元データ抽出には機器の都合により当初計画よりもやや遅れが出たものの、静脈造影下CTにて抽出した3Dデータに基づき初期静脈模型が作成できた。さらに、MDCT(マルチディテクターCT)の3次元画像データーと副腎静脈サンプリング時にIVR-CTシステムにより経カテーテル的静脈造影下に撮像したCTアンギオグラフィーの医用画像DICOMデータの両者に基づいてさらに詳細な副腎静脈データを解析し、副腎内静脈分枝を含んだ実物大の副腎静脈血管モデルが完成した。完成度は高く、このモデルを基に副腎静脈内へのカテーテル留置法を考案し、日本インターベンショナルラジオロジー学会にて発表した。実際のカテーテル手技訓練のハンズオンが施行でき、実用に耐えるモデルであることが実証された。 動物実験は豚副腎での机上試験にて焼灼度の最適化を行う当初予定であったが、豚正常副腎は予想よりも薄く、副腎腺腫を対象とする焼灼範囲(10-25mm)の評価には限界があるため検討の結果、牛摘出副腎を使用することとした。牛副腎を安定的に手に入れる経路を確保する事に時間を要してしまい、研究がさらにやや遅延した。牛副腎入手後はリジッドタイプのRFディバイス(プロサージアプリケーター)を含むラジオ波焼灼システム(バイポーラRFAシステムCelonPOWER)による焼灼最適化実験は比較的順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、牛摘出副腎による机上での最適副腎焼灼プロトコールの確立に向けた実験を継続し、次いで、豚生体での副腎焼灼により血流による臓器冷却効果を考慮した焼灼度の検討も継続する。臨床応用を行う際には、隣接する膵臓、消化管の焼灼が懸念されるため、周辺臓器への焼灼危険性のモデルを作成し、安全性の確保に向けた実験も行う。 副腎焼灼器具に関しては、経皮的焼灼については十分な焼灼能があることが確認されたが、経静脈的焼灼法は、器具細径度と焼灼範囲の両立が困難であることが判明したため、副腎微小腺腫に関しての焼灼は副腎静脈支脈からの超選択的採血による副腎内アルドステロン過剰分泌部位局在診断を基にした経皮的焼灼の可能性を探ることとする。 当初計画からの最大の問題点は、経静脈的アブレーションワイヤー挿入による副腎微小腺腫焼灼法の開発が、ワイヤーの細径度と焼灼範囲を同時に達成する技術が非常に難しく難航していることである。関連技術を持つ他の医療機器メーカーとの連携を検討する他、経静脈に替わる経動脈的IVR治療法や上記超選択的サンプリングと経皮法の組み合わせの可能性を検討したいと考えている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] 18-oxocortisol measurement in adrenal vein sampling as a biomarker for subclassifying primary aldosteronism.2011
Author(s)
Nakamura Y, Satoh F, Morimoto R, Kudo M, Takase K, Gomez-Sanchez CE, Honma S, Okuyama M, Yamashita K, Rainey WE, Sasano H, Ito S.
-
Journal Title
J Clin Endocrinol Metab.
Volume: 96(8)
Pages: E1272-8
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-