2012 Fiscal Year Annual Research Report
RNA工学を用いたがん放射線感受性増感のための分子標的治療
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23390301
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
栗政 明弘 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80343276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡安 隆一 独立行政法人放射線医学総合研究所, 国際オープンラボラトリー, サイエンティフィックセクレタリー (50356135)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | DNA修復 / RNA / アプタマー / 放射線 / がん |
Research Abstract |
高次構造を形成しリン酸化部位に結合活性を有する人工合成したRNAアプタマーを用いて、がん細胞の放射線感受性を制御する新しい放射線増感剤の開発を目指している。これまで、DNA2本鎖切断損傷の非相同末端結合修復(NHEJ)に関わるキナーゼであるDNA-PKcsの特に自己リン酸化部位と想定される複数のペプチド配列に対して、これに結合するRNAアプタマーをSELEX法を用いて合成を試みた。 SELEX法によるRNAアプタマー分子の選別過程で、現在のところ親和性の高いアプタマーを得られていない。配列解析を行っても特異性の高い配列を持つアプタマーが得られていない。そこで、本年度はアプタマー選別の手法の再検討を行うとともに、これまでにすでに得られているアプタマー分子を用いて、培養細胞に対する影響の評価を行った。 放射線照射による感受性では、一部のアプタマーで放射線の感受性が高まっている傾向が観察されている。現在、その再現性を確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在の問題点は、アプタマーの選別の条件検討が充分でないところである。現在、これまでにすでに得られているアプタマーを用いて、培養細胞に対する放射線の増感作用を評価する実験を行ったが、共用の放射線照射装置の故障のため、同じ機器での再現性が得られていない。今後新たな照射装置を導入することになるため、新機種で検討をやり直す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
継続してアプタマーの選別法に改善を加え、より親和性が高く特性の高い配列を有するアプタマーの合成を試みる。 放射線照射装置による放射線感受性テストでは、アプタマーによる細胞影響評価に限界があるため、新たな放射線影響を評価できるシステムの構築を図る。現在、DNA2本鎖切断損傷に集積する53BP1のフォーカスにより、DNA損傷の形成・修復を評価するシステムを構築してきており、このシステムの利用ができるかどうかの評価を行っていく。
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