2011 Fiscal Year Annual Research Report
形態・機能情報を同時に映像化可能なフォトンカウンティング形X線CTの開発
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23390307
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
尾川 浩一 法政大学, 理工学部, 教授 (00158817)
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Keywords | X線 / CT / 半導体検出器 / 媒質同定 / フォトンカウンティング / CdTe / モンテカルロ法 / エネルギースペクトル |
Research Abstract |
(1)スペクトロスコピックCT(SCT)の投影データ計算用シミュレーションプログラムの作成、検証…SCT方式と従来のX線CT方式のデータ収集形態の違いを明らかにし、SCTの優位性を検証するためのモンテカルロシミュレーションプログラムを作成した。 (2)媒質同定のアルゴリズムの開発…連続X線を用い、検出器では物体を透過したX線を4個のエネルギーウィンドウで計測し、これに基づいて媒質同定を行うアルゴリズムを開発した。同定においては、エネルギーウィンドウ毎のデータから画像の再構成を行い、画像上に関心領域を設定し、その内部でのX線の減衰係数を求め、このデータをあらかじめ媒質名が既知である減衰係数データと比較して、最も一致するものを選んでそれを同定結果とした。モンテカルロシミュレーションによって作成したデータに関する同定誤差は1%以内であった。 (3)X線検出器の開発…検出器はテレシステムズ社のCdTe素子を用いたフォトンカウンティング形X線検出器を一部仕様変更して検出器部を製作した。試作検出器ユニットの仕様は、面積8mm×8mm(40×40画素)であり、横一列にこのユニットを16個並べることによって幅8mm長さ12.8cmの面検出器を構築した。 (4)X線検出器の基本性能の評価…試作検出器に対して、基本性能を評価した。調査呼応目とその結果は、エネルギー分解能(4.4%FWHM122keV)、均一性(1.26%)、計数率特性(0.4Mcps/pixel)、空間分解能(2lpm)などである。この他、画素毎のエネルギースペクトルの変動、エネルギースペクトルの経時的変動、感度変動なども調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、研究を進めることができており、基礎的な検討レベルは当初予想していた検出器性能を実現できた。
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Strategy for Future Research Activity |
検出器そのものの基本性能としては良好な結果となり、この検出器を実装したCT装置のプロトタイプを実現させるのが、次のステップとなる。モジュール型検出器で広い有効視野を実現させる場合、モジュール間のギャップが再構成画像に影響を与える。このギャップの補間方法などが課題となるが、配列の仕方を工夫する実装などの検討も行い、現実的なレベルでの解決策を探っていく予定である。また、以前開発したリングアーチファクト除去アルゴリズムも実装して画質の改善を図る予定である。
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Research Products
(4 results)