2012 Fiscal Year Annual Research Report
移植医療への応用を目指した次世代免疫細胞療法の構築に関する研究
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23390315
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
梨井 康 独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (60321890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥見 雅由 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60512978)
高原 史郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70179547)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 移植・再生医療 / 幹細胞 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本年度の研究は、1.マウスアロ同所性肝移植後免疫寛容誘導モデルにて、移植後のグラフトにおけるミエロイド由来抑制細胞(MDSC)の存在を確認した上、非実質細胞(NPC)から単離したCD11b陽性細を用い、有意にT細胞の増殖を抑制出来ることを明らかにした。次に、マウス骨髄細胞にhepatic stellate cells (HSC)を共培養したものにGM-CSFの存在下MDSCへの分化誘導を試み、得られた細胞のCD11b陽性細胞がGr-1の発現は高いものの、CD11cの発現は極めて低く、典型的なMDSCであることを確認した。この細胞をregulatorとして、リンパ球混合反応(MLR)の実験系に添加したものは、CD4、CD8T細胞のアロ反応増殖は抑制された。MDSCが肝移植後免役寛容誘導には関わっていることや、MDSCがin vitroで骨髄から分化誘導することが示唆された。2. siRNAを抗原提示細胞特異的なDDS技術と抱き合わせることで、共刺激因子シグナルCD40-CD154の活性化を抑制するによる移植臓器生着延長の検討を行った。(i) 100日以上の安定的なグラフト生着、(ii) レシピエントにTreg, DCreg の誘導を確認したこと、(iii) ドナー特異的な免疫寛容であったことを明らかにした。また、移植後の拍動日数が30日のマウス脾臓から各分画の細胞を調製し、CD11c(+)マクロファージ、或はCD4(+)CD25(+)Treg細胞を添加したグループにおいて、アロ応答による細胞増殖を50~65% 程度抑制することが確認できた。レシピエントの生体内で誘導されている免疫的寛容状態が、ドナー抗原特異的なものであるかどうか確認する実験として、Adoptive cell transfer (養子移入試験)を実施し、コントロールと比較して、有意なグラフト生着延長を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究結果を加え、今年度はMDSCの肝移植モデルを用いた解析およびin vitroでの骨髄からの分化誘導の成功した。また、 マウス心移植モデルを用いて、siRNAを抗原提示細胞特異的なDDS技術と抱き合わせることで、共刺激因子シグナルCD40-CD154の活性化を適切に抑制するによる移植臓器生着延長効果が得られた。今後のin vivoでのマウス移植モデルを用いて制御性DC、MDSCの機能の検証には大いに役に立つ。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度で確立したiPS細胞から各種DCの簡易・大量に作製するための方法および制御性DCの分化誘導方法、今年度でのMDSCの肝移植モデルを用いた解析およびin vitroでの骨髄からの分化誘導の成功、 マウス心移植モデルを用いたsiRNAを抗原提示細胞特異的なDDS技術と抱き合わせることで、共刺激因子シグナルCD40-CD154の活性化を適切に抑制するによる移植臓器生着延長効果の結果を生かして、他の免疫抑制細胞の分化誘導をさらに進め、これら細胞の免疫抑制機序の解明、動物移植モデルの検証による細胞療法の構築等を通じて、次世代免疫抑制細胞の本質を理解し、安全で安定した免疫抑制状態を誘導するとともに、免疫寛容を成立させる手技を開発していく予定。
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