2011 Fiscal Year Annual Research Report
肝内胆管癌を標的とするハイブリッドペプチドによる新しいバイオ療法の研究開発
Project/Area Number |
23390318
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石毛 和紀 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20597918)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241827)
柳川 徹 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10312852)
竹内 薫 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00192162)
山本 雅一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60220498)
中山 正道 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00338980)
|
Keywords | 胆道系悪性腫瘍 / 分子標的治療 / ハイブリッドペプチド / サイトカイン / 受容体 |
Research Abstract |
本邦ならびに欧米諸国では肝内胆管癌が増加している.また,B型やC型の慢性肝疾患に末梢型肝内胆管癌の発生することもしばしば報告されるようになった.本腫瘍は早期発見が困難であり,また,進行癌では化学療法や放射線療法に対して抵抗性を示す難治性の消化器癌と位置付けられている.その治療成績の向上には,新しい有効な治療手段の開発していく必要がある.近年,細胞殺傷能力を有するペプチドや強力な抗腫瘍効果を有するペプチドが複数報告されている.川上らは癌細胞表面分子と結合する特異的な「弾頭ペプチド」と癌細胞膜融解による細胞殺傷効果を有する「爆薬ペプチド」を精力的に組み合わせ,抗癌活性を有する「ハイブリッドペプチド」の作製に成功した.そこで,本研究では,胆管癌に対する新しいバイオ療法を確立する目的で,胆管癌の表面分子であるIL-4受容体を標的とし,ILと抗癌ペプチドとの組み合わせにより新規ハイブリッドペプチドを作製した.胆管癌細胞に対する新しいバイオ療法として,膜融解性ハイブリッドペプチドIL-4-lyticの抗腫瘍効果をin vitroおよびin vivoモデルにおいて検討したところ,IL-4-lyticを用いて行った細胞障害性実験では,5種の細胞株すべてにおいてIL-4-lytic濃度依存性に細胞増殖の低下が見られた.一方,IL-4を欠くlyticのみでは細胞障害性は殆ど認められなかった.本IL-4-lyticの抗腫瘍効果はIL-4受容体を介するものと考えられた.胆道癌細胞株を用いた皮下腫瘍モデルでは,IL-4-lyticの腫瘍内投与により,有意な腫瘍の縮小効果が観察された.また,容量依存性も確認された.胆管癌をはじめとする胆道癌においては,IL-4受容体を標的とするハイブリッドペプチド療法(IL-4-lytic)は,胆管癌に対する新規バイオ治療としての有用である可能性が示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胆道癌細胞株の皮下腫瘍モデルの構築にも成功し,予備実験の結果より,IL-4-lyticのin vivoにおける抗腫瘍効果が確認された.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,胆道癌細胞株にルシフェレース遺伝子を導入し蛍光を発する細胞を構築する.本胆道癌細胞株を用いて,肝転移モデルおよび腹膜播腫モデルを作製する.IL-4-lyticの転移性腫瘍に対する抗腫瘍効果について画像解析装置を用いて解析する.
|
Research Products
(5 results)