2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390322
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田浦 康二朗 京都大学, 医学研究科, 助教 (80378629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 教授 (40252449)
波多野 悦朗 京都大学, 医学研究科, 講師 (80359801)
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Keywords | 肝線進化 / 星細胞 / Helper T細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
(1)マウスの線維化誘導 (1)四塩化炭素腹腔内投与モデル:四塩化炭素(CC14)0-5ul/gを週2回、12回にわたり投与し、肝臓をサンプリング。シリウスレッド染色にて肝線維化が形成されていることを確認した。 (2)胆管結紮モデル:開腹下に総胆管を結紮し、3週間後に肝臓をサンプリング。上記と同様に肝線維化が形成されていることを確認した。 (3)チオアセトアミド腹腔内投与モデル:チオアセトアミド(TAA)を週3回、18回にわたり投与し、肝臓をサンプリング。投与量は0.1mg/gから0.4mg/gまで漸増した。上記と同様に肝線維化が形成されていることを確認した。 (2)脾摘よる肝線維化改善効果の確認 Ba1b/cマウスにおいて、上記のような線維化誘導を、脾摘を施行した群及びsham手術群で実施。肝臓をサンプリングして線維化の程度を比較した。肝線維化の評価は、シリウスレッド染色、ハイドロキシプロリン量の測定、type I collagenα1及びα-SMAのmRNAの発現などにて行った。その結果、脾摘群において肝線維化の軽減を認めた。 (3)脾摘による肝臓でのサイトカインバランスの変化の計測 脾摘群とsham手術群において、CC14及びTAAモデルで肝線維化を施行し、肝臓でのサイトカインバランスを計測した。サイトカインの計測は、RT-PCRにてmRNAを検出して施行した。検査してサイトカインは、Th-1群としてIFNγ、IL-2、IL-12をTh-2群としてIL-4、IL-10、IL-13を測定した。その結果、Sham手術群と比較して、脾摘群ではTh1サイトカインが優位な状態に変化していた。 現在、上記のような段階まで実験は進んでいる状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数のモデルで肝線維化が形成されていることを確認し、脾摘によってCC14及びTAAモデルでは、線維化が軽減されることを認めた。更に脾摘によりサイトカインバランスが変化することまで確認できており、実験はおおむね順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の如く、概ね実験は順調に進んでいる。今後は、免疫染色やウエスタンブロット法などを追加して、肝線維化や免疫細胞の状態及び脾摘が及ぼす影響を含めて評価を進めていく。また、肝線維化モデルにおいて、肝臓以外たとえば脾臓での変化も、サイトカインバランスの変化に関するメカニズムを解明していく上で有効であると推測され、様々な実験・測定を施行していく予定である。
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Research Products
(4 results)