2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳梗塞に対する自己骨髄間質細胞移植治療の研究-標準的な移植治療プロトコールの確立
Project/Area Number |
23390342
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
七戸 秀夫 北海道大学, 大学病院, 助教 (80374479)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寶金 清博 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90229146)
黒田 敏 北海道大学, 大学病院, 講師 (10301904)
|
Keywords | 骨髄間質細胞 / 脳梗塞 / 中枢神経再生 / 自家移植 / Platelet lysate / G-CSF |
Research Abstract |
1)ヒト血小板溶解物(PL)を用いた、ヒトBMSCの培養法の確立 成人ボランティアから提供頂いたBMSCを実験にもちいた。また臨床的に使用されている血小板濃厚液からPLを作成した。基本培地にPLを5%加えたものを用いて、ヒトBMSCの培養を行い、培養条件の検討やシミュレーションをおこなった。PLで培養したヒトBMSCは培養速度、細胞表面抗原、栄養因子産生、神経系細胞分化のいずれにおいてもFCS(仔ウシ血清)で培養したものとほぼ同等との結果を得た。また、PLで培養したヒトBMSCはラット脳梗塞モデルへの移植後の組織内生着、運動機能回復のいずれにおいてもFCSで培養したものと同等以上であることを示した。 2)サイトカイン等を利用したヒトBMSCの活性化 ヒトPLをもちいた培養液中にG-CSFを添加し、ヒトBMSCの培養を行なった。細胞増殖については、対照群と比較して培養期間が有意に短縮された。また、この細胞をラット脳梗塞モデルに移植すると、治療効果が有意に増強された。 3)therapeutic time windowや、移植細胞のdose-dependent effectに関する検討 脳梗塞モデルに対し発症7日後にBMSCを脳内に直接移植する手法に加え、発症30日後の慢性期移植モデルを作製し、さらに両移植タイミング群とも移植細胞数によって2群に分割した(細胞数10^5群、10^6群)。運動機能改善効果について検討したところ、急性期移植モデルは両群とも機能回復を見せ、慢性期移植モデルでも10^6移植群では有意な改善効果を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PLをもちいてヒトBMSCを培養し、in vitro、in vivoの基礎実験を行った。これらの結果は国際学術誌に公表された。G-CSFをもちいたヒトBMSCの活性化実験はほぼ終了し、その結果は現在学術誌に投稿中である。またtherapeutic time windowに関する実験も、その結果を現在学術誌に投稿中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
北海道大学病院にcell processing center (CPC)が設れこため、CPCにてヒトBMSCの培養を行い、培養条件の検討やシミュレーションをおこなう。またMRIをもちいた細胞移植後のcell tracking、PETをもちいた細胞移植後の脳ブドウ糖代謝モニタリングなどの実験も開始する。
|
Research Products
(13 results)