2011 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ナノ結晶と中空ファイバを活用した脳腫瘍の診断・治療一体型デバイスの開発
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23390346
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 正明 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (70283439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡慶次 学 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60311437)
岡本 行広 名古屋大学, 工学部, 助教 (50503918)
大森 雅登 豊田工業大学, 工学部, 助教 (70454444)
朴 蓮洙 名古屋大学, 工学部, 特任講師 (50543534)
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Keywords | 脳腫瘍 / 半導体ナノ結晶 / 中空ファイバ / 診断 / 治療 |
Research Abstract |
今年度は、研究実施計画書に従い、「1.浸潤がん細胞を可視化するための技術の確立」と「2.浸潤がん細胞を死滅させるための技術の確立」に関する基盤研究を進めた。前者においては、まず生体組織で高い透過性を示す近赤外領域に蛍光波長を有する半導体ナノ結晶の製造技術の開発を進めた。その結果、鉛等の有害重金属で構成されないIn,Cu Znより構成される量子ドットの合成に成功し、従来の市販量子ドットよりも低毒性であることを明らかとした。次にリポソーム作製技術とCEDを活用して半導体ナノ結晶をリポソームに包埋する技術を確立し、半導体ナノ結晶の対リポソーム脂質量の培養細胞系(in vitro)における最適化を図った。その結果、開発した量子ドットをリポソーム化することで、腫瘍細胞への取り込みの増大に成功した。さらにリポソームの組織内注入を可能にする中空コアファイバの開発に関しては、ファイバ先端部分をテーパ加工し、直径を125μmから50μmに縮小する技術並びに、中空ファイバの中途部分の一部について、内部の空孔が露出するように外側の石英を除去する技術をそれぞれ確立し、量子ドット注入針の作製技術確立の見通しを得た。一方、後者においては、コロイド量子ドット中からの自由電子を取り出す技術の開発を行った。その結果、量子ドット外部に自由電子を効率良く取り出すためには、表面欠陥の少ない量子ドットを作製する必要があることを見出し、今後の課題とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は「1.浸潤がん細胞を可視化するための技術の確立」と「2.浸潤がん細胞を死滅させるための技術の確立」の2つの大項目を課題に掲げ、前者には3つの小項目を、後者には1つの小項目をそれぞれ設定した。設定した項目に従い、研究を進め、「研究実績の概要」で記したように今年度計画分を予定通り完了するとともに、得られた結果から来年度の課題を抽出できた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度の課題としては今年度開発した量子ドットの蛍光波長を近赤外部内で最適化することを検討し、リポソームに細胞認識能を付与することで脳腫瘍細胞の特異性を高めたいと考えている。また、量子ドット外部に自由電子を効率良く取り出すために、表面欠陥の少ない量子ドットの作製を目指すことにした。
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[Journal Article] Neurosurgical robotic system for brain tumor removal2011
Author(s)
Arata J, Tada Y, Kozuka H, Wada T, Saito Y, Ikedo N, Hayashi Y, Fujii M, Kajita Y, Mizuno M, Wakabayashi T, Yoshida J, Fujimoto H
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Journal Title
Int J Comput Assist Radiol Surg
Volume: 6
Pages: 375-385
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