2012 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光イメージングを用いた骨軟部腫瘍の進展機序解明と治療戦略
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23390360
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
土屋 弘行 金沢大学, 医学系, 教授 (40227434)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 癌 / 蛍光イメージング |
Research Abstract |
昨年度に樹立したヒト骨肉腫cell line 143B の、核にGFP・細胞質にRFPが発現した2色の蛍光を有する143B-dual、およびin vivoでの継代を繰り返すことで得られた転移能の異なるsub line 143B-LM1, 143B-LM2, 143B-LM3, 143B-LM4 を使用し実験を行った。 ELIZA法で各cell lineの培養液上清に分泌された線溶関連因子Plasminogen Activator Inhibitor-1(PAI-1)、urokinase-type plasminogen activator(u-PA)、Tissue Factor(TF)の濃度を測定した。その結果、転移能が上昇するにつれてPAI-1・u-PAの濃度が上昇していた。TFに関しては転移能と上清中の濃度に関して差は認めなかった。またRT-PCRで各cell lineにおける線溶因子のmRNA発現を調べたところ、同様の結果であった。 近赤外線を使用した骨軟部腫瘍イメージングは、倫理委員会承認の上、被験者3人で施行した。腫瘍周囲のリンパ管を中心に映像化され、手術手技との応用研究を行った。 これまでカフェインによる腫瘍細胞のアポトーシス誘導メカニズムを明らかにし、今年度は癌細胞の細胞周期を継時的に観察することにより、カフェインによる抗癌剤増強作用の機序について検討した。Fluorescent Ubiquitination-based Cell Cycle Indicatorを用いて各細胞の細胞周期を識別しながら癌細胞を継時的に観察した。シスプラチン・カフェイン併用刺激では細胞周期の停止は少ない傾向を示し、ほぼ全ての細胞がアポトーシスを誘導した。カフェインは抗がん剤による細胞周期の停止を阻害することにより抗癌剤の作用を増強させることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由)各実験ともに着実に実験結果がでると共に、次のステップへと進んでいる。マウス肺転移では、転移関連因子が確立されたので、そのブロックで実験をすすめる。抗がん剤を増強させる実験は、イメージングを中心として進んでおり、更にメカニズムの解明を行なっていく。蛍光ナビゲーション手術は臨床応用に移行している。
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Strategy for Future Research Activity |
がん治療のネックである、転移のメカニズム、抗がん剤治療の改良、腫瘍の可視化というポイントで研究を進行中である。それぞれの実験が次のステップへと進んでいる。可能な限り、臨床応用を考え、最終的に患者さんに還元できる方向で実験をすすめていくことを考えている。 最も転移能の高かった143B dual LM-4においてshRNAでPAI-1、およびuPAの発現をブロックしたcell lineを作成し、その腫瘍形成能・転移能を比較する実験を計画している。DNA修復関連分子である53BP1の遺伝子にGFP遺伝子を組み込むことにより、DNA障害を可視化させることに成功したため、抗癌剤、放射線など様々な刺激による癌細胞のDNA修復反応を生きたまま観察することにより、癌細胞の治療抵抗性のメカニズムについて研究予定である。
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Research Products
(27 results)
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[Journal Article] Histological study on liquid nitrogen-treated tumor-bearing bone of the proximal femur excised eight years after transplantation2012
Author(s)
Yamamoto N, Inatani H, Shirai T, Nishida H, Hayashi K, Kimura H, Takeuchi A, Igarashi K, Shimozaki S, Kato T, Tsuchiya H
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Journal Title
Low Temp Med
Volume: 38
Pages: 5-8
Peer Reviewed
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[Journal Article] A novel combined radiological method for evaluation of the response to chemotherapy for primary bone sarcoma2012
Author(s)
Miwa S, Taki J, Yamamoto N, Shirai T, Nishida H, Hayashi K, Tanzawa Y, Kimura H, Takeuchi A, Igarashi K, Ooi A, Tsuchiya H
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Journal Title
Journal of Surgical Oncology
Volume: 106
Pages: 273-9
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Caffeine induces apoptosis by inhibiting Akt/mTOR/S6K, NF-κB and MAPK pathways in osteosarcoma cell2012
Author(s)
Miwa S, Sugimoto N, Yamamoto N, Shirai T, Nishida H, Hayashi K, Kimura H, Takeuchi A, Igarashi K, Yachie A, Tsuchiya H
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Journal Title
Anticancer Research
Volume: 32
Pages: 3643-9
Peer Reviewed
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