2011 Fiscal Year Annual Research Report
新世代手術デバイスによる超高精度四肢矯正方法の開発
Project/Area Number |
23390362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村瀬 剛 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50335361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森友 寿夫 大阪行岡医療大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00332742)
坂井 孝司 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (00444539)
菅本 一臣 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40294061)
吉川 秀樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60191558)
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Keywords | 整形外科 / 四肢変形 / シミュレーション / 手術デバイス / 矯正 |
Research Abstract |
1.専用プログラム開発:CTデータから変形対象骨のコンピューター表面モデルを健常側鏡像モデルと形状マッチングすることで変形量(マトリックス)から3次元変形軸を導くソフトウェアを開発し、それに基づいて最も効率の良い矯正方法を提示することが可能となった。この際、より精度高めるために骨モデルの不整・重複ポリゴンを除去して骨モデルの最適化を行うソフトウェア開発を追加で行った。ロッキングプレートのスクリュー位置・方向情報をプログラム計算が可能なマトリックス形式(行列式)に変換することで、スクリューが矯正前の骨にどの位置・方向に相当するかを上記プログラムより逆算し矯正前のスクリュー位置を計算することが可能となった。これにより、目的とするプログラムの概要は完成しつつある。 2.高精度矯正を可能とするデバイスの確立:手術デバイスは研究室が所有する高機能高速造形装置(Objet EDEN250)を用いて作製した。屍体骨の上腕骨遠位部と橈骨遠位部が、それぞれ一定角度の外反変形あるいは掌屈変形となるような手術シミュレーションに基づき、カスタムメイドガイドを設計・作成した。デバイス製造精度は安定して0.1mm以下が達成できたため、模擬手術実験に開発を進めた。当該骨部分にカスタムガイドを設置してスクリューホールのプレドリリングと骨切りを行った後、プレートで内固定した。骨切りガイド設置時とプレート固定後にCTを撮影し、それぞれの3次元骨モデルを術前シミュレーションと比較して精度検証をした。骨切ガイドの設置位置、プレート固定後の骨モデルにつき、コンピューター上のシミュレーションモデルと実際に手術を行った屍体モデルとの誤差を評価し、現状では概ね2°、2mm未満であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的と照らし合わせて:「1.専用プログラム開発」に関しては、トリゴン(骨表面モデルを形成する三角形のパッチ)の不整がプログラムバグの原因となることが研究経過中に判明し、繰越課題としたが最終的に不整・重複ポリゴンの除去プログラムを作成した。それ以外は、ほぼ順調に進められている。今後、実証実験結果をフィードバックしながら継続していく。 「2. 高精度矯正を可能とするデバイスの確立」に関しては、デバイスの高い製造精度・効率を確立出来ている。最終手術精度の目標として掲げる1°・1mmは未だ達していないが、誤差を生ずる要因の解析は進んでおり、デバイスデザインと手術手技を改良することで研究期間内に十分解決出来ると考えている。今後追加実験を含め、開発を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、干渉トリゴン除去とブーリアン演算修正の検討と調査、調査結果の検証を行った後に、必要な技術要素を統合したシミュレーション統合ソフトウェアを完成させる。実証実験としては、新鮮屍体標本(上腕骨・前腕骨)をCT撮影した後、各骨幹端部で任意の骨切を行って変形位置で接着剤により固着させた変形骨モデルを作成、再度CT撮影を行う。専用プログラムを用い、変形前後のコンピューター骨モデルを比較することで矯正シミュレーションと骨接合インプラント設置位置計算、デバイス設計を行う。ラピッドプロトタイピングを用いてデバイスを作成、変形骨モデルに対して模擬矯正手術を行う。変形骨に設置したデバイスをガイドとしてスクリュー刺入孔の作成と骨切を行う。次にインプラントを用いて骨を固定する。最後にCT撮影を行って予定の矯正が得られているか評価する。矯正程度の他に、骨切、スクリュー刺入、インプラント設置の各位置・方向を評価して、精度に影響及ぼす因子を解析し、プログラム・設計製造技術・手術手技へフィードバックする。同時に、2D/3Dレジストレーション技術に関しては、フラットパネルデテクターに対応技術を開発して、術前後の3次元動態解析手法を確立する。 臨床研究準備に関しても臨床研究専門スタッフ(統計専門家を含む)と協議して、次年度以降の臨床研究プロトコールの策定を開始する。
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Research Products
(14 results)