2011 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症の新規動物モデルの提示と治療法開発への基礎研究
Project/Area Number |
23390369
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Field |
Orthopaedic surgery
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
井尻 幸成 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (00315417)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 節郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30178371)
永野 聡 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50373139)
榊間 春利 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10325780)
|
Keywords | Gadd45beta / 軟骨細胞 / 肥大化 / OA |
Research Abstract |
Gadd45β(growth arrest and DNA damage inducible 45 beta)はストレス応答分子で、細胞周期やApoptosisに関与する。成長板の肥大軟骨細胞においては発現亢進し、そのマーカー遺伝子のMMP13やCol10A1遺伝子発現を調整する。その分子生物学的メカニズムに注目して研究を行ってきた。Gadd45βは軟骨細胞において発現亢進しMTK11MKK3/6/p38を介する。C1EBPβはGadd45βを介してリン酸化され活性化し、COL10A遺伝子の転写活性をさせる。このGadd45β遺伝子発現は機構を調べるために、C/EBPβ TG miceとKO miceを作成し、実験的検討を行った。 C1EBPβ TG miceは軟骨特異的にdoxycycline(DOX)にて発現調整が可能なDouble Tg(D-Tg)を作成した。D-Tgmice尾軟骨細胞をDOX-offで培養しC/EBPβの発現を亢進させるとGadd45βは遺伝子レベルで発現亢進することがPCRにて確認された。また免疫組織学的検討により蛋白レベルでの発現亢進を確認した。一方、C1EBPβ KO miceの膝関節軟骨ではC/EBPβおよびGadd45βの陽性細胞数が統計学的有意に減少していた。現在これらの動物を用いて、膝靭帯切断による変形性関節症新規動物モデルを作成している。このモデルを用いてC1EBPβおよびGadd45βが治療標的分子となり得るか否かを検討する。アデノウイルスを用いて、C/EBPβもしくはGadd45βをノックアウトしてOAに与える影響を調べる。アデノウイルスは、in vivoでの感染効率は高いが、持続期間が数週間と短いことが欠点であり、本研究によりC1EBPβ、Gadd45β遺伝子治療が可能であることが示されれば、長期発現を可能とするレンチウイルスを用いることを計画している.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最も実験が困難を予想される遺伝子改変動物はすでに完成している。また、その組織学的評価法も確立し、実験は予定通り進んでいる。一方、本年度の予定であるアデノウイルスを用いた実験系については、未だ手つかずであり、今後、ウイルスの製作や機能評価等に時間がかかることが予想されるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
アデノウイルスを用いて、C1EBPβもしくはGadd45βをノックアウトして、C1EBPβ TG miceとGadd45βTG miceにおける変形性関節症性変化を予防できるか否かについて検討する。その前段階として、作成したアデノウイルスが、培養細胞レベルでノックアウト効果があるか否か、研究を進める。アデノウイルスの効果は、一時的であるので、本実験系で効果が不十分である場合には、レンチウイルスの系で実験を進める可能性がある。
|