2013 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症の新規動物モデルの提示と治療法開発への基礎研究
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23390369
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
井尻 幸成 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00315417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊間 春利 鹿児島大学, 医学部, 准教授 (10325780)
小宮 節郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30178371)
永野 聡 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (50373139)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 軟骨 / Gadd45beta / C/EBPbeta / 変形性関節症 |
Research Abstract |
Gadd45beta (growth arrest and DNA damage inducible 45 beta)はストレス応答分子で、細胞周期やApoptosisに関与する。成長板の肥大軟骨細胞においては発現亢進し、そのマーカー遺伝子のMMP13やCol10A1遺伝子発現を調整する。その分子生物学的メカニズムに注目して研究を行ってきた。Gadd45betaは軟骨細胞において発現亢進しMTK1/MKK3/6/p38を介する。C/EBPbetaはGadd45betaを介してリン酸化され活性化し、COL10A遺伝子の転写活性をさせる。このGadd45beta遺伝子発現は機構を調べるために、C/EBPbeta TG miceとKO miceを作成し、実験的検討を行った。 C/EBPbeta TG miceは軟骨特異的にdoxycycline (DOX)にて発現調整が可能なDouble Tg (D-Tg)を作成した。D-Tg mice尾軟骨細胞をDOX-offで培養しC/EBPbetaの発現を亢進させるとGadd45betaは遺伝子レベルで発現亢進することがPCRにて確認された。また免疫組織学的検討により蛋白レベルでの発現亢進を確認した。一方、C/EBPbeta KO miceの膝関節軟骨ではC/EBPbetaおよびGadd45betaの陽性細胞数が統計学的有意に減少していた。現在これらの動物を用いて、膝靭帯切断による変形性関節症新規動物モデルの作成を試みた。このモデルを用いてC/EBPbetaおよびGadd45betaが治療標的分子となり得るか否かを検討したが、疾患モデルとしての系を確立することは困難であった。その原因として、靭帯切断モデルにおける軟骨の変性が定量化できないこと、C/EBPbetaおよびGadd45betaの蛋白発現が一定でないことが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた、疾患モデルマウスの作成に労力と時間を要した。遺伝子発現を確認するには至ったが、靭帯切除による変形性関節症の発生に対する、これらの遺伝子の影響を組織学的に確認することができなかった。靭帯骨化モデルの作成も試みたが、軟骨の変性・骨棘の形成に与える影響を組織学的、免疫組織学的に検討したが有意な結果は得られなかった。 その原因として、C/EBPbetaおよびGadd45betaという分子の発現を人為的に調節することでは、軟骨の変性に影響を与えることができないためと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
Gadd45betaは軟骨細胞の肥大化に重要な機能を有することから、肥大軟骨を分化させ、骨欠損部や偽関節部の骨形成を誘導する可能性があると考えられる。in vitroの系を用いてこれらの臨床応用へ向けた基礎実験を行う。
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Research Products
(1 results)