2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖因子と抗炎症製剤併用による肺病変修復促進と治療法開発
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23390376
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
須加原 一博 琉球大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20171126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
照屋 孝二 琉球大学, 大学院・医学研究科, 助教 (50437985)
大城 匡勝 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (00315483)
宮田 裕史 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (60315471)
野口 信弘 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (80457671)
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Keywords | 急性肺傷害 / 創傷治癒 / 肺胞上皮細胞 / 細胞増殖因子 / エチルピルビン酸 / サイトカイン / NF-kB / epithelial-mesenchymal transition |
Research Abstract |
1.培養肺胞II型上皮細胞気管内投与による投与(培養)細胞の動態-これまでの研究成果から、KGF投与後2~3日目に最大増殖能(BrdU取り込み最大)を示し、イオン輸送能もそれとよく相関することなどが明らかになった。 2.Ethyl pyruvateによる肺傷害抑制機序の解明-培養肺細胞(A549細胞)を用いて、ethyl pyruvate (EP)のNF-kBに対する抑制効果を検索した。A549細胞をTNF-αで刺激するとNF-kBが活性化(7.5倍増加)されるが、この作用がethyl pyruvateで濃度依存性に抑制された。EPはIkBaの蛋白量増加を抑制した。この遺伝子発現も抑制した。EPはNF-kBシグナル経路の活性化が重要な役割をもつ炎症を抑制することが示唆された。 3.Ethyl pyruvateのNF-kB活性化抑制作用は、NF-kBのsubunitsのRelAやp50の核内移行を抑制し、DNA結合能を抑制することによることが示唆された。 4.肺傷害が進行すると肺線維化が起こり、重篤な呼吸不全に陥るが、TGF-b1は肺線維芽細胞を増殖させ、線維化を促進させる作用がある。細菌の鞭毛抽出物に肺上皮細胞を線維化させる作用があり、TGF-b1の作用を増強させることがわかった。肺の細菌性炎症により線維化がおこる一つの機序を示すものと考えられ、分子レベルの解析を進めている。 5.肺胞上皮細胞を増殖させるKGFのNF-kB活性化に対する作用など分子レベルの解析を行い、細胞増殖作用の修復効果促進手段や方法の開発を進められるよう研究を発展させている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗炎症作用をもつエチルピルビン酸が肺胞上皮細胞において、NF-kBの活性化を強く抑制することから、その分子機構を解析しているが、NF-kBのRelAやp50の核内移行を抑制することが示唆された。また、細菌から抽出したflagellinが肺胞上皮細胞の線維化(EMT)変性を促進することが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から、NF-kB活性化抑制に関する分子機構を解析して来たが、肺胞上皮細胞増殖作用をもつKGFのNF-kBへの作用の分子レベルの解析を進め、病変修復促進の新たな方法を検索するように研究を発展させたいと考えている。
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Research Products
(4 results)