2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経障害性疼痛の発症と治療に関わる遺伝子多型の同定
Project/Area Number |
23390377
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
池田 和隆 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 参事研究員 (60281656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 英子 日本大学, 医学部, 兼任講師 (10114357)
笠井 慎也 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 研究員 (20399471)
井関 雅子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80221076)
福田 謙一 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (80228907)
西澤 大輔 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 研究員 (80450584)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / ゲノムワイド関連研究 / 発症脆弱性 / 遺伝子多型 / オーダーメイド医療 / 抗がん剤 / 末梢神経障害 / 治療薬反応性 |
Research Abstract |
神経障害性疼痛は、その発症脆弱性や治療薬反応性が患者ごとに大きく異なり、治療が極めて難しい。一方、近年のゲノム科学の進歩は著しく、研究代表者らは、いくつもの鎮痛薬感受性関連遺伝子多型を見出している。そこで本研究では、以下の3つの項目を目指しており、平成24年度までに以下の成果を得た。 1.下顎枝矢状分割術後の末梢神経障害発症脆弱性に関わる遺伝子多型の同定:東京歯科大学水道橋病院にて下顎枝矢状分割術を受けた360症例において、知覚神経鈍麻と感覚異常の出現と約30万の遺伝子多型との関連を解析した結果、知覚神経鈍麻出現がARID1BとZPLD1遺伝子の多型と、感覚異常出現がMETTL4遺伝子の多型とそれぞれ関連することが明らかになった。 2.タキサン系抗がん剤投与後の末梢神経障害発症脆弱性に関わる遺伝子多型の同定:「オーダーメイド医療実現化プロジェクト」より導入した、タキサン系抗がん剤を投与された乳がん患者または卵巣がん患者に由来する1050のDNAサンプルに関して、イルミナ社製iScanシステムを用いた70万以上の遺伝子多型の判定を終了させた。また、国立がん研究センターおよび虎の門病院において同様の患者100例以上についてより詳細な臨床データを収集するとともにゲノムDNAを収集した。 3.神経障害性疼痛における発症脆弱性と治療薬反応性に関わる遺伝子多型の同定:帯状疱疹後神経痛をはじめとする神経障害性疼痛患者100名以上よりゲノムDNAおよび臨床データを収集した。臨床データを分析し、遺伝子多型との関連を適正に解析できるようにデータの整理を行った。 本研究の成果は、神経障害性疼痛の治療技術の向上および病態メカニズムの解明に繋がるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に研究を妨げる予想外の事象は生じなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通りに推進する。
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Research Products
(47 results)