2012 Fiscal Year Annual Research Report
患者固有モデルによる専門医の手技訓練用手術シミュレータの研究開発
Project/Area Number |
23390383
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
槙山 和秀 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40347307)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 吉信 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10106312)
長坂 学 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (20526420)
緒方 正人 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (70501154)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | シミュレータ |
Research Abstract |
【1】専門医用手術手技訓練法の確立 医学的所見に基づき、専門医の訓練が可能な、手術場面に即した"訓練シナリオ"の構築、及び訓練の評価法の確立を行った。手術シミュレータの訓練および効果に関する評価研究を施行した。開発したシミュレータを評価したところ、術前トレーニングには有用だが、触覚視覚的にややリアリティに欠けるところがあると評価された。 【2】生体組織の運動を正しく模擬する実時間非線形力学計算手法の確立 生体組織の物性値については、線形解析による生体力学シミュレーションのためのヤング率等、データベース化が整備されつつある。身体を構成する軟組織物質の多くは、非線形の力学特性を持つことが一般的であり、線形の力学モデルでは部分的な小変形に限定される。より正確に生体の運動を模擬するためには、大変形への対応、さらには膜組織、繊維、異方性に対応する必要がある。特に臓器に関しては、生体組織を非線形の非圧縮超弾性体とみなし、広範囲の変形領域における応力と歪の関係を近似する、実時間処理を考慮した計算手法を開発中である。 【3】模擬術具用力覚装置の開発 専門医は術中にカンシの先で臓器を触ったり、鉗子の中間部位で臓器を押し上げたりして視界の確保を行い、手術を容易にする。また、鉗子の鋏部で血管を切除する際、その微妙な硬さで血管の脆さを感じる。これらの複雑な操作に対応可能な力覚装置を開発している。鉗子の開閉時にかかる微妙な力を小型軽量のモーターを使用して再現した。2種類の方法で試作し力学的整合性を評価している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【1】専門医用手術手技訓練法の確立 シミュレータの開発・評価ともに着々と進行している。 【2】生体組織の運動を正しく模擬する実時間非線形力学計算手法の確立 計算方法の開発中でまだシミュレータに実装されていない。 【3】模擬術具用力覚装置の開発 試作したもの2種類の力学的整合性を評価している。
|
Strategy for Future Research Activity |
【1】専門医用手術手技訓練法の確立 腎部分摘出の訓練シナリオ確立を目指す。 【2】生体組織の運動を正しく模擬する実時間非線形力学計算手法の確立 GPUを用いた並列処理による実時間非線形有限要素法の実装 、人体の挙動と模擬計算法の同定を目指す。現在の演算素子レベルでは、現実的なサイズの並列処理(物量)では実時間化が達成できないと判断した場合は、線形FEMのスキームで応力はLagrange歪を用いる近似法に方針を変更して実時間化を達成する。 【3】模擬術具用力覚装置の開発 力学的整合性を評価したのち、シミュレータに実装する。
|
Research Products
(11 results)