2011 Fiscal Year Annual Research Report
ARTに用いる精子のゲノムインプリンティングの網羅的解析と原因解明
Project/Area Number |
23390385
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有馬 隆博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80253532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋浦 仁 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70451523)
岡江 寛明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10582695)
宮内 尚子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 技術補佐員 (60596162)
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Keywords | 生殖補助医療 / メチル化インプリント / ゲノムインプリンティング / 精子 |
Research Abstract |
近年生殖補助医療(ART)の普及に伴い、本来非常に稀なインプリント疾患の増加が指摘されている。申請者らは、男性不妊症精子DNAを用い、8つのインプリント領域(DMR)のDNAメチル化について解析し、その異常の頻度がおよそ25%であることを報告した。この事実はインプリント異常症の原因として、精子の影響が大きいことを示している。マウスでは、これまでに22のインプリント領域が同定されているが、ヒトへの保存性に関しては明らかではない。本研究では、まず全てのヒトインプリント領域について明らかにする。次に多数例の不妊症男性精子を用い、インプリント異常の頻度・程度・影響を受けやすい遺伝子について解析する。さらに、メチル化異常を示す精子のパターン分類、精子形態・メチル化制御因子(MAT2A,DNMTs)の構造・機能解析を行い、ARTに用いる精子のDNAメチル化異常の発症メカニズムについて、総合的に検討することを目的とする。本年度は、ヒトインプリント領域の同定と、不妊症男性精子の収集とメチル化インプリントの解析を行なった。まず、ヒトインプリント領域の同定は、精子型インプリント3領域と卵子型インプリント19領域を、正常血液細胞、精子細胞を用いて明らかにした。また、この領域内に含まれるDNA多型も明らかにした。次に、精子サンプルは、165例(乏精子症59例)収集し、22領域に関して、Bisulphite Polymorphic PCR法で正確に評価した。その結果、全体でおよそ29%に異常を認め、特に乏精子症では、60%と高頻度に異常を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不妊症男性精子の収集は、目標どおりに行なわれた。また、ヒトインプリント領域の同定とDNA多型を明らかにした。この結果を基に、正確なメチル化インプリントの解析が可能となり、信頼のおける成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト男性精子のインプリント異常について、網羅的な解析を正確に行い、その異常の頻度、程度、影響を受けやすい領域を明らかにする。また、異常のパターン分類により、DNAメチル化異常の発症メカニズムについて、総合的に検討する。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] High-throughput detection of imprint methylation errors in the ovarian cancer by the bisulphite PCR-Luminex method2012
Author(s)
Hiura H, Okae H, Kobayashi H, Miyauchi N, Sato F, Sato A, Suzuki F, Nagase S, Junichi Sugawara J, Nakai K, Yaegashi N, Arima T
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Journal Title
BMC medical Genomics
Volume: (In press)
Peer Reviewed
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[Journal Article] Role for piRNAs and non-coding RNA in de novo DNA methylation of the imprinted mouse Rasgrfl locus2011
Author(s)
Watanabe T, Tomizawa S, Mitsuya K, Totoki Y, Yamamoto Y, Kuramochi-Miyagawa S, Iida N, Hoki Y, Murphy P.J, Toyoda A, Gotoh K, Hiura H, Arima T, Fujiyama A, Sado T, Shibata T, Nakano T, Lin H, Ichiyanagi K, Soloway P.D., Sasaki H
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Journal Title
Science
Volume: 332
Pages: 848-852
DOI
Peer Reviewed
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[Book] 助産雑誌2011
Author(s)
有馬隆博、樋浦仁、岡江寛明、佐藤晶子、宮内尚子
Total Pages
11
Publisher
医学書院
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[Book] 癌と化学療法2011
Author(s)
有馬隆博、樋浦仁、岡江寛明、宮内尚子、佐藤芙美
Total Pages
1745-1749
Publisher
癌と化学療法社
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[Book] 卵子学2011
Author(s)
有馬隆博、樋浦仁、岡江寛明、佐藤晶子、宮内尚子
Total Pages
122-131
Publisher
京都大学学術出版会